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駒数多数将棋の駒を初期配列に並べる作法は、どう有るべきか(長さん)

前回、中将棋より駒数の多い将棋に、室町時代初期から、駒の初期配列
の作法が存在しないのは、使い手の居無い獣駒が、日本将棋には存在し
ないが、中将棋以上には、存在するので、作法があるというのが変と、
考えられたからではないかと述べた。だが、配列するときには、象や虎や
豹にも、調教師が居ても、おかしくないのかもしれない。そこで「これら
の駒も左から」と、順序の決まった配列は、配置するときだけに、調教師
が存在すると仮定してみる。そして中将棋以上でも、駒並べの作法を考え、
具体的にそれがどうなるのか、試案を作ってみた。以下は一例として、
だいぶん前に私の考えた、後期大将棋を例にとって、説明する。さて駒数
3桁の将棋類では、そもそも、駒の配列を作法に従って並べるのは、

駒の総数が多くなると、駒を探し出す手間が、駒数のだいたい2乗で増加
するため、日本将棋と同じ方法でするのは無理

である。そこで、以下の点について、着目する。日本将棋の駒の並べ方の
作法である大橋流にしても、伊藤流にしても、

中央の駒ほど位が高いと、仮定して、その順番で配列する。が、駒数多数
将棋では、そのような陣は、袖に弱点が出来るので、初期配列は、中央に
重要駒が来ると、敢えて仮定はしない

事にする。すると、

駒は玉駒は最初に並べるにしても、玉以外は、同じ種類の駒は左側から、
常に並べることだけを、重視

すれば良い事になる。そこで、予め2人前の競技者の駒を、1人づつ、
2つに分けて保管する。つまり、後期大将棋の例では、玉将・王将を除
いて128枚の駒を、駒箱の中に2つの袋を入れることにして、片方分
64枚づつを、

分けて保管

しておく。そして、
(1)上手が王将を並べ、下手が玉将を並べた、あと、
(2)それぞれの駒袋を、上手、下手と取り、中身をそれぞれに、捕獲
して、取り捨てるために、これらの将棋種では使用する、捨て駒入れに
全部移してから、左右対称駒については、上手は右辺から並べてゆく。
下手は少し時間を空けて並べを開始し、左右対称駒については、上手と
は逆だが、前方に上手の既に並んだ駒の多い、左辺から先に、並べてゆ
くのである。
こうするのは、

駒を並べる作法というのは、年長者が若年者に、その将棋のルールを
伝承するという、”儀式”の意味があるからで、このケースは、若年者
が、左辺が上位である事を、正しく認識するための行為と意味づけでき
る。なお、繰り返すが、駒数多数将棋に、中央駒が重要度の高い駒との、
性質は無いと考えるので、並べる駒は、たまたま、手に取った駒からで
良いとする。なお例外は歩兵だが、歩兵は、後期大将棋のケースは、概
ね伊藤流で、並べて良いのではないかと思う。ここでただし、

(3)左右非対称駒で、1枚目は上位者から、盤の中央段のやや手前に、
升目ではなくて、交点付近に、その駒を、一時保管する。
(4)(1)~(3)を、駒袋内の全ての駒について、行う。すると、
例えば、後期大将棋では、中央段の升目間の交点付近の上に、麒麟、
鳳凰、の2枚が並ぶ。そこで、若年者も駒袋内の全ての駒を、並べ終わっ
た所で、年長者が、麒麟を取って、左盲虎の上に置く。ついで、それを
まねるように、若年者が麒麟を並べる。ついで、年長者が鳳凰を取って、
右盲虎の上に並べる。それを若年者がまねれば、初期配列はめでたく、
完成するはずである。なお、中将棋では、麒麟、鳳凰、師子、奔王と、
以上の順番で、4枚づつ並べる事になるだろう。

(1)~(4)のやり方は、左右対称性が強い、駒数多数将棋種ならば、
かなり、駒の枚数が多くても、適用可能である。ただし、大大将棋のよ
うに、左右で対称性が低くなると、中央段に置く、”一時保留駒”の数
が増えすぎて、適用困難になるし、また、対局中も、取った駒を別々に
保管して、局後に交換し、2分化が容易なようにしなければならないた
め、感想戦のときに、注意が要る等の問題はあるだろう。(2017/08/16)

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