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6升目酔象含平安小小将棋は金銀逆配列が良い(長さん)

前に、普通の8升目や9升目の取り捨て平安
小将棋(飛車、角行が無い)系統の将棋で、
6升目と小型でかつ、玉、金、銀、酔象、
桂馬、香車が各々に1枚づつの、鳥獣戯画の
僧が指して、いそうな将棋には、

9升目標準平安小将棋や8升目の原始型の
平安小将棋に対する優位性が無い

という問題がある事を指摘した。
 今回は、6升目の平安小将棋型ゲームで、
8~9升目のいわゆる平安小将棋に無い、
優れたゲーム性能を出すのには、どうしたら
よいのかを、論題とする。回答を先に書く。

一段目の配列を、
桂馬、金将、玉将、銀将、酔象、香車

と再配列する。ただし、ここで酔象の動きは、
角行動きで、かつこの駒は不成りのルールで
ある。では、以下に説明を続ける。
 この配列は、以前の配列とは、金将と銀将
が逆なだけである。すなわち以前に、本ブロ
グで示した、酔象を保持するために仮想的に
存在したと仮定された、寺院型平安小小将棋
の、最下段配列は、以下の通りであった。

桂馬、銀将、玉将、金将、酔象、香車。

 この配列だと、端列の香車と香車先歩兵の
2枚攻撃という自明な戦法が、さほど有力で
はないものの、一応成立するという事だった。
 そのような、常識的戦法が成立するのでは、
ゲームに意外性が無く、メジャーなゲームに
比べて、優秀とは言えない。よって、8升目
や9升目の、普通の平安小将棋(取り捨て)
に勝るというほどでは無いという事であった。
 ところが、以下のように、元の配列の、
金将と銀将を交換すると、この点が変化する。

寺院型平安小小金銀.gif

 この初期配列で、たとえば先手が、端攻め
攻撃で、香車で相手陣を

深追いすると、以下のようになる

平安小小将棋金銀途中.gif

と見られる。すなわち、

深追いした先手の、角行動きの酔象が、後手
にイジメられる、展開になる

のである。だから、普通は当たり前とみられ
る、香車筋ノ端攻め攻撃の先行は、このゲー
ムに限っては、

酔象を、単純にタダ取られて大きく駒損し、
劣勢に立たされる恐れが強い

という事になる。
 上記局面からは言うまでも無く、金将が銀
将と違って、横動き可能なため、先手の香車
で、後手陣を荒らす事、特に後手陣の銀将を
排除する事が、出来なくなったのと、角行隣
が金から銀に変わり、”反撃の成桂”に、桂
馬取りを、掛けられなくなったのが大きい。
その結果、

先手の酔象(上の図では角行と表示)が、
後手の成桂、玉前の歩兵、無傷な銀将で、
相次いで、単純に狙われるだけになった

と言う事である。
 このような展開を避けるためには、端歩は
突き捨て無い事、酔象を守りながら駒を組ん
で行く事が必要になるとみられる。
 つまり、特に8升目型の平安小将棋では常
識的だったのではないかと、少なくとも本ブ
ログでは見ている、端攻め戦法が、

この6升目平安小小将棋では、筋悪なやり方
になる可能性が高い

という事になろう。
 恐らく、こうした将棋は、指されたとした
ら、鎌倉時代初期の寺院だったとみられる。
 この将棋は、賭けに利用されただろうから、
端攻めしか知らない初心者を、プロの勝負師
が餌食にするのに利用されたのかもしれない。
 なおこの将棋は、序盤で駒の交換が、余り
起こらないので、中盤は、元の桂馬、銀、玉・・
配列型に比べて、駒の動きが激しくなり、
終盤の流れも急で、かつ元々盤面が8升目型
に比べて狭いから、

8升目原始平安小将棋(取り捨て型)等より、
かなり終盤の収束が、速いように見えたはず

である。これなら鳥獣戯画に表現されている
ように、”我々は平安小将棋とは全く別の将
棋を、勝手に指しているだけ”と言いくるめ
て、寺院の将棋場で酒を飲みながら、下級僧
等が楽しく将棋を指す事も、恐らく出来た事
であろう。(2019/09/08)

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