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大橋家古文書”大局将棋駒”の史料は3種類構成(長さん)

さいきん、関西将棋会館の旧将棋博物館の顧問
で、将棋盤駒の制作職人として著名な、熊澤良尊
氏の2020年8月24日の記事に、将棋博物館
に所蔵されていて前世紀未確認だった、新確認の、
将棋家・大橋家古文書の”大局将棋駒”の構成に
関して、

重要な情報が、web上に提供された。

従来史料は、
①駒804枚の配置図
が著名だが、
その他に、
②209種類の駒それぞれの名前と行き方
③実物大と思われる盤の原図
が、発見当時は存在したとの旨である。

なおこれらの文書は、全部行方不明で現存しない。

このうち②・③とも貴重で、③は大局将棋のデザ
イナーが将棋の大橋家の者である事を示唆する。
が、②は、駒の動かし方ルールの細則、特に
イ:制限ない跳び越え駒のルール詳細
ロ:踊り駒のルール詳細
以上を示唆するという点で、

跳び抜けて重要な、情報の熊澤氏による開示

と考えられる。
 以下、補足する。
 ロについては、踊りという用語が、②209種
類の駒それぞれの名前と行き方の説明書き部分で、
使われているかどうかで、影響は決定的になる。
 ただし、
イ:制限ない跳び越え駒のルール詳細は、

それ以上に重要

だ。何故なら、大局将棋が短手数で終わるのでは
ないかと、このゲームの出来の悪さが疑われてい
るのだが。それはそもそも、四天王、大鷲、大鷹、
霖鬼等の跳び部分には、

全く制限が無いとの情報がweb上行渡っている

からに他ならない。これは①駒804枚の駒の行
き方朱点入り配置図だけの情報が、web上で
知られているだけの、

片手落ちが原因によるもの

とみなせる。なお、梅林勲・岡野伸氏著書、西暦
2000年の世界の将棋も、この情報だけを頼り
に、前記制限無い跳び越えを記載し、それが
wikipedia等に行渡って、

大局将棋は異常短手数で終わる、出来の良くない
もの

との評判等が、2チャンネルや本ブログの見解等
で広まっていると考えられるのである。
 実際には、短手数で終わるようだとの見解は、
トリビアの泉で、伊藤博文六段と安用寺孝功四段
(段位は当時)の対局が3805手になったとい
う話と整合しないし、古作登氏のweb上に公開
されている論文”大局将棋考案の背景と創作過程
に関する考察”
https://core.ac.uk/download/pdf/233905191.pdf
の、ゲームの出来に関する、古作氏の評価の内容
とも整合していない。
 前記、車兵(大局将棋)の成り駒である四天王
等の制限無い跳び越えには、
”相手玉駒に繋ぎ駒が付いている場合は、制限無
い跳び越えで、その玉駒を取る事が出来ない”
といった類の、

”細則”が付いていないと、話が合って来ない

のである。
 恐らく、今述べた情報が②209種類の駒それ
ぞれの名前と行き方に原文記載が有ったが、
web上で欠落していて、ルールブックのコピー
を取得していた結果、伊藤博文氏、安用寺孝功氏、
古作登氏の、だいたい3名にだけ知られている。
しかし、当たり前かもしれないが、大阪商業大学
の古文書大局将棋駒の研究者は、個別の、大局将
棋の細かいルールに、取り立てて興味を持っては
いなかった。その為、大局将棋のゲームとしての

出来の良し悪しに関する情報は、無念にも風化し
つつある。

以上の、大きな懸念が内在する疑いが有るのでは
ないか。だから熊澤氏のブログの内容から私には、
この将棋種の未来が直近危惧されるようになった
のであった。何れにしても元史料は大阪商業大学
へ、ただちに返されるべきである。(2020/09/04)

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