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静岡県湖西市大知波峠遺跡で平安期龍奔墨書陶器(長さん)

今回は、発掘報告書に墨書陶器であるとの旨
記載され、「施入」と読まれている遺物は、
「龍奉」のようにも読めるという話題である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
138513_1_大知波峠廃寺跡.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
湖西市文化財発掘報告書第37集
大知波峠廃寺跡、西暦1997年、
静岡県湖西市教育委員会。
 発掘報告書冒頭第13ページ付近の記載に
より遺跡の場所は、静岡県湖西市大知波峠。
第214ページ付近の抄録により、同大知波
1321番地との事である。
 遺物が出土したのは、第14ページ付近の
記載から上段池(跡)トレンチから墨書遺物
が複数出土したうちの一枚であり、出土した
のは西暦1991年前後のように読取れる。
 遺物の成立年代は、第214ページ付近抄
録により、平安時代の中・後期と見られてい
るように読取れる。また第158ページの
まとめにより、10世紀~11世紀と見られ
ているようである。
 遺物の写真は、発掘報告書写真図版第68
出土遺物第15の、下から2段目の左に有り、
スケッチ図第36の遺物番号で第45番との
旨、ナンバリングされている。スケッチ図か
ら、皿の陶器と見られているようである。器
物の内面と底面に、同様な墨書が見られると
の旨、遺物観察表に記載されているようであ
るが、下記はそのうちの底面の墨書の写真の
ように見える。

大知波峠龍奔.gif

 冒頭のように「施入」と書かれているとも
取れるが、上下の字は何れもカスレており、
「龍奉」とも読み取れるように、私見される。
 山岳信仰特有の、神仏習合寺院がこの峠に
古代に建ち、龍神が祭られていたのかもしれ
ないと私見される。なお本発掘報告書には、
祈祷師的人物と僧侶により共同で、付近一帯
で水に因んだ祭祀が行われてたと、考えられ
ているように読める、記載が有るようである。
(2024/03/02)

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