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静岡県岡部町入野高岸古窯で古墳期末奔土墨書土器(長さん)

今回は静岡県の古墳から出土した副葬品の
土器に奉王型の漢字墨書土器に見える遺物
で、正確には、

胚の蓋であり、頂に王、側面に「奉土」と
3文字記載されている

ように見える出土物が有るとの紹介である。
 遺物の写真がWEB上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
15809_1_入野東古墳群・入野高岸古窯.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
静岡県埋蔵文化財調査研究所調査報告書第177集
入野東古墳群・入野高岸古窯、西暦2007年
中日本高速道路株式会社横浜支社・財団法人
静岡県埋蔵文化財調査研究所。
 遺物はこのうち後者の入野高岸古窯内の
入野高岸1号窯で出土したようである。
 発掘報告書冒頭の例言によると遺跡の場
所は、静岡県志太郡岡部町入野243-2
番。遺物が出土したのは、第78地点の調
査として発掘が行われた、西暦2000年
前後の事のように発掘報告書冒頭第5ペー
ジ付近の記載から読み取れる。
 遺物の成立年代は、第1号窯の前庭部か
ら紹介する遺物は出土したが、発掘報告書
第102ページ付近の「結語」によると、
7世紀前半の古墳期末の窯で、その生産物
とみられているようである。
 遺物の写真は発掘報告書写真図版第26:
”入野高岸1号窯”の下カラム:”前庭内
出土遺物1・窯体内出土遺物”の下段左側
に在り、遺物番号第77番との旨ナンバリ
ングされ、繰り返すと杯の蓋のような形の
土器である。

入野高岸奔王.gif

 上図のように、頂上部分にやや不明確だ
が、漢字で「王」と読めるような模様が
在り、縁近い部分に、写真の右から左へ、
2文字漢字で「奉土」と読め、古墳時代の
豪族へ、窯の製品を献上するという意図の
墨書のようにも見える。
 古墳の故人へは、親族だけではなくて、
少なくとも飛鳥期に近くなると、東海地方
では、付近の窯元から弔辞の意図の器が、
贈られたように見える物品である。これも
「古墳時代の墨書土器」の疑いの有る遺品
だと私は考える。(2023/03/26)

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