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富山県高岡市出来田南遺跡で奈良末蛮鬼墨書土器(長さん)

今回は、古代の墨書遺物が複数出土した官衙
関係者の住居跡とされる富山県高岡市の遺跡
で、「蛮鬼」と読める墨書土器が出土してい
るとの旨の話題である。

口麻呂土器が複数出土し、疾病回復祈願等の、
マジナイ用の祭祀遺物ではないか

と疑われる。なお報告書では、出土地点の地
名に関連すると私には連想される「友田土」
との釈文が、充てられているようである。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
14570_1_出来田南遺跡発掘調査報告.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
富山県文化振興財団埋蔵文化財発掘調査報告第66集、
出来田南遺跡発掘調査報告、2015年、
公益財団法人富山県文化振興財団埋蔵文化財調査事務所。
 発掘報告書の末尾の抄録によると遺跡の場
所は、富山県高岡市出来田。遺物が出土した
のは、西暦2011年から2013年の間の
ように読取れる。
 遺物の成立年代は発掘報告書第110ペー
ジの第17表古代土器一覧(1)によると、
8世紀後半~9世紀前半の奈良時代末頃とみ
られ「大溝」で出土したとの旨書かれている。
富裕層の庭に作られた、大きな池のようにも
私には見える。
 遺物の写真は、発掘報告書写真図版第12:
”墨書土器”の、下から3段目の左端に在り、
遺物番号第18番との旨ナンバリングされて
いて、杯の破片の底の部分で、裏から撮影し
た一コマように、私には見える。

出来田南蛮鬼.gif

 上図のように、第1字目がはっきりせず、
発掘報告書で釈文されている「友」では有り
え無いとまでは言えないが、「変」や「蛮」
のようにも見える。その下は2字で田土では
無くて1字のようにも見え、「鬼」等では無
いかと疑われる。土とされる部分は、「心」
や「....」の方がむしろ近いと私見する。
 なお「田と土」は、仮につなげると獣へん
を除いた「狸」になる事にも注意。戻すと
つまりは

変鬼や蛮鬼であり、大大将棋の変狸や蛮狸に
イメージが近いが、何かの病人の様子を表現

したように私には見えるという事になる。な
おこの発掘で、人面墨書土器が複数出土し、
更には「口麻呂」墨書土器が複数出土してい
て、疾病の回復祈願の祈祷祭祀を、私には連
想させる。
 置かれた場所名等で無いと、言い切るのは
困難だが。識字層の身内に病人が出て、回復
の祈祷をする為の土器ではないかと、一応疑
われるのでは無かろうかと私は思う。
(2022/09/23)

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