SSブログ

山梨県笛吹市身洗沢遺跡で古墳期龍王墨書土器(長さん)

今回は、山梨県の山間の扇状地、笛吹市で
古墳時代の土器に、漢字で龍王と書かれた
墨書杯土器、泰山書かれた墨書杯土器が、
特定の発掘調査で1枚ずつ出土していると
の旨の紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
21676_1_身洗沢遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第310集
身洗沢遺跡、2017.2、山梨県教育委員会・
山梨県県土整備部・中日本高速道路株式会社・
笛吹市。
 発掘報告書末尾の抄録によると遺跡の場
所は、山梨県笛吹市八代町南地内。遺物が
出土したのは、西暦2014年前後の事の
ようである。
 遺物の成立年代はそれぞれC区2号遺物
集中地点で龍王墨書土器が、C区第14号
土坑で泰山墨書土器が出土したが、発掘報
告書の第30ページ付近の記載によると、
隣接する集落の成立年代から第2号遺物集
中地点が古墳時代中期後半の5世紀後半、
発掘報告書の第29ページによると、第
14号土坑が、古墳時代の中期後半の、
5世紀後半と見られているように読取れる。
どちらも5世紀後半で、ほぼ同一である。
 遺物の写真は、龍王墨書杯型土器が、
発掘報告書の写真図版第51:”C区出土
遺物(25)”の最上段の右から2番目に
ある。遺物番号は、特に記載されてい無い。
杯型土器の裏面の写真のように見える。尚、
第2号遺物集中地点の遺物は大量に存在す
るため、写真図版第44の中段から、写真
が連続して続いている。

身洗沢龍王.gif

 上図のように、山合いの河川に棲む龍神
を奉じるような、古墳時代の祭祀用の龍王
文字が、墨書きされているように私見する。
 次に、泰山墨書杯型土器が、発掘報告書
の写真図版第42:”C区出土遺物(16)”
の下から2段目の左端にある。遺物番号は、
こちらも特に記載されてい無い。杯型土器
の破片の側面写真のように、私には見える。

身洗沢泰山.gif

 上図のように、泰の下部の「水」部分が
やや薄く、大山のようにも見えるが、薄い
部分を加えると、奉山ではなくて、漢字で
泰山と書かれていて道教関連のようである。
すなわち、遺跡からの風景写真によると、
富士山等は里から直接には見えないようだ
が、南側に山並みが見え、山並みを道教の
聖地に見立てて奉じた、古墳時代の祭祀用
の土器のようにも後者は見えると私見する。
 山梨県の山間の扇状地の為、古代より遡
る、古墳時代中期の土器であるが、祭祀用
で識字層が、龍神信仰や山岳道教信仰に関
係した、祭祀用の墨書土器を作成していた
疑いも、この山梨県の遺跡の遺物について
は、全く無いとは断定できないではないか
と、私的に疑っている。(2023/02/19)

nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 9

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。