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大局将棋駒の動きのパターンルールは情報限定(長さん)

中将棋と日本将棋では、個別にルールが
定義されるので余り問題が無いのだが。
大将棋以上になると、

踊り動き

というふうに、動きのルールではなくて、
広範な動きのパターンルールが発生する。
踊りについては”着地点以外他駒相手自
駒差なし制限なし跳び越えで、相手駒途
中取り自由。その条件で、方向一定の
正行度(後戻り不可)と、玉動き繰り返
しの不正行度がある”との、大阪電気通
信大学の高見友幸氏の提案を、目下本ブ
ログでも受け入れている事は前に述べた。
ただし、”普通は境界型であり、充填型
は獅子と狛犬等、限られた場合”である。
しかし、踊りについては諸説有る。
 今回は、大局将棋の、今は行方不明の
大橋文書”大局将棋駒”に、動きのパター
ンルールに関して、どの程度の情報が有っ
たのかを、大阪商業大学アミューズメン
ト産業研究所の梅林勲氏と岡野伸氏執筆
の、将棋天国社、西暦2000年の、

”世界の将棋”の記載から推定する。

結論から書く。

天竺大将棋の格有跳び越え等以外、注記
が無かった模様

である。
 では、論を開始する。
 世界の将棋では、大局将棋の個々の駒
種の動かし方ルールは、次のような順序
構成で説明されている。
1)平駒名(左右に有るかどうか)とそ
の成り駒名をリスト。
2)裏も含めて駒種ごとの、記号による
駒の動かし方ルールを表現。
ただし、以下については、注記がある。
鳩槃については、斜めへの特殊な跳び。
”獅鷹、法性、奮迅については、獅子の
動きを兼ねる”との旨の注記。
四天王、大鷲、大鷹、霖鬼については、
”駒を飛び越して走りが出来る。”との
旨の注記。
以上がある。
3)その他のルールとしてつぎの旨が
記載。
①成りは敵陣突入。
②取捨て。
③奔鷲が大阪電気通信大学の狛犬の動き
に加えて、戻りで通過相手駒取りもでき
る。但し原点から見て、更に向こうの、
マイナス方向動きまでは、不可の旨の説
明がある。
④+++の説明については、駒3つまで
跳び越えだと解釈した事。ただし元文献、

大局将棋駒に説明が無い

という注意書きがある。
⑤天竺大将棋駒と猛龍、飛鰐についての、
格有り跳び越えパターンルールの説明。
以上の事から、最後の3)の⑤のように、
天竺将棋大駒の格有り跳び越え、駒の動
かし方パターンルールについては、原本
になんらかの、注意書き部での説明があっ
たとみられる。しかしながら、

3)の④から、将棋天国社、世界の将棋
の大局将棋の駒の動かし方パターンルー
ルは、原本の記号のパターンから、梅林
氏等が、個人的に割り出したものである

事が判る。
 原本の”大局将棋駒”の駒の動かし方
ルールが、前に述べたように、
水無瀬兼成の将棋纂図部類抄の泰将棋に
近い事から、大局将棋は泰将棋同様の、
観賞将棋を大橋家の者とみられる、デザ
イナーが目指して作成したものであり、
現在行方不明の文書自体も、

体裁を水無瀬兼成の将棋纂図部類抄の
泰将棋形式にした可能性が大

だと、私は推定している。
 であるから、初期配列図の中に挿入さ
れているとみられる、

Ⅰ:四天王、大鷲、大鷹、霖鬼型ルール

と、恐らく注釈部が末備に有って、そこ
に記載されているとみられる
Ⅱ:大将、副将、飛将、角将、猛龍、
飛鰐、の格有り駒跳び越えルール。
Ⅲ:奔鷲の拡張狛犬型動きのルール。
以外、

肝心の踊り型動きのルールも含めて

駒の動かし方パターンルールの説明は、

原書の将棋大橋家の大局将棋駒には無い

のではないか。以上のように結論されそ
うである。ただし”Ⅰ:四天王、大鷲、
大鷹、霖鬼型ルール”の説明の一文が、
”制限無し跳び越え”の事で、仮に合っ
ていさえすれば、大局将棋の指し方にコ
ツがあって短手数で終わる。つまり、結
局大局将棋は、攻撃大過多で”出来の悪
い将棋”であるという大勢に、影響は無
いと推定される。(2020/04/19)

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