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先手手損作戦位で仮称鳥獣戯画将棋は飽き無いか(長さん)

今までで述べたように、表題の7升26枚
制古作登/木村義徳変形酔象入り平安将棋
は、先手の同形否定の為の、一手損戦法で
十年オーダーの寿命が有ったと考えられた。
 しかしながら、7手目「5七酔象
(=角行)戻り」手位の定跡で、本当に例
えば半世紀にわたり飽きられ無いのかとい
う疑念が、尚も残っているように思える。
そこで流行が比較的継続したと見たときの、
その理由につき、更に追求した。なお絵画
では恐らく「先手6二酔象/後手7三酔象」
の後手、酔象追い駆けられ手損の、後手の
「大失敗将棋」が描かれているのであろう。
 さて話を7手目「5七酔象(=角行)戻
り」将棋に戻して飽きられ無かった原因に
関する回答を、最初に書くと

先手5七酔象、後手6二酔象型で、後手が
先手の一損で非同形先攻めになると、形勢
僅差だった為

だと考えられる。

実際に指すと、そうなるから

である。
 なお、後手が下段落しの酔象の方が二段
目酔象よりも有利である事を知っており、
「先手6六酔象/後手5一酔象」型で、
後手が非同形先攻だと、明らかに指し易さ
で後手が有利である。
 確かに、最下段酔象陣は酔象の守りが
硬くなり有効なのだが。しかしながら、
最初に述べたような先手1手損である場合
には、損の存在のその事が、後々まで響き、

後手は先手の作戦に、いっぱい食ったと
気がついても、差が小さいのでそのまま、
指し続ける状況が数十年続いても、さほど
は、おかしく無い

と見られるのである。棋士によっては、
先手5七酔象/後手6二酔象型は、後手先
攻めなら形勢ほぼ同じと見ていた者も、或
いは、あったかもしれない。
 この将棋には、いつまでも筋違い走りの
続く、不成角行動きの酔象一枚しか大駒が
存在し無いので。極端な局面評価の変化の
乏しい将棋である事が、幸いしたようだ。
 最後は、成金2枚同士で、下段に玉将が
落された方が負けるパターンしか、この取
り捨て将棋にはほぼ存在し無い。ので不自
然だが▲5六金▽5二金▲5七酔象▽5一
酔象▲6六酔象▽6二酔象▲5七酔象とい
う7手セットの定跡が、何十年も指された
のかもしれないと私は考える。
 以前、鳥獣戯画の将棋こそが、酔象の、
興福寺1098年駒から、南北朝14世紀
中将棋時代の上久世駒の間の、「空白期」
の謎を解く、12世紀~13世紀初の酔象
存在将棋だと本ブログでは述べた。別の用
途で、香車が消耗したと本ブログで述べた
事が有るものの、正直原因がいま一はっき
りしないが。繰り返すと興福寺駒には香車
が含まれ無いという点から考えても、本ブ
ログのモデル将棋の性格を精査する事には、
明らかな意味が有るように私には疑われる。
(2023/08/29)

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