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岩手県花巻市で平安期奔金墨書土器(長さん)

今回は、平安期に成立したとされる住居遺構
の埋設土壌層から、金粒が出土したとされる
岩手県の遺跡で、字が不鮮明だが奉金と墨書
されている土器の写真が、発掘当時の発掘報
告書に併せて載っているという話題である。
 その遺物の写真は、web上に公開されて
いて発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は、以下の通りである。
1590_1_似内遺跡発掘調査報告書.pdf
発掘報告書の名称は、以下の通りである。
岩手県文化振興事業団埋蔵文化財調査報告書第344集
似内遺跡発掘調査報告書、西暦2000年、
(財)岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センター。
 遺跡の場所は、発掘報告書末尾の抄録によ
ると、岩手県花巻市上似内第10地割。同じ
く抄録によると、話題とする遺物が出土した
のは、西暦1999年前後の事のようである。
 遺物の成立年代は、第16号住居跡より、
話題とする遺物は出土しているが、第16号
住居跡は、発掘報告書第36ページの記載に
より、他の28棟(第1番~第29番)同様、
漠然と平安時代の住居跡であると考えられて
いるようである。
 次に遺物の写真は、写真図版第87:
”遺構内出土遺物(19)”の上段カラム、
”16号住居跡”の第2段目左に在り、遺物
番号で第259番との旨、ナンバリングされ
ている。私には、少し深めのサラダ入れ食器
のように見えるが、発掘報告書では杯土器と
なっている。

似内259奔金.gif

 上図で、かなり小さい黒い模様ではあるが、
中段の左寄りに、周囲では最も黒い模様とし
て、奉に見える字が反時計回りに回転して、
ほぼ横倒しに書かれていて、さらにその奉の
字の右下に薄くだが、金に見える模様が在っ
て併せて、

奉金に見える

と本ブログの管理人が、個人的に見ていると
いうものである。
 なお、この土器に墨書が有るとの指摘は、
発掘報告書には無いが、同じ16号住居跡か
ら、遺物番号第260番として、発掘報告書
のスケッチを見る限り、スケッチした担当者
が”奉”と見ているのではないかと取れる、
墨書土器とされるものが、共出土している。
 そして、発掘報告書の第85ページ付近の
記載によると、第16号住居跡の東数十メー
ター東のところにある第25号住居跡の付近
の埋設土の中から金粒2粒が出土し、岩手県
の金鉱に地理的に近い遺跡である事が、示唆
されているようである。税金として金粒を納
める等との意味である事は、これにより、か
なり確かになると見られる。よってもともと

文字は奔金では無く、奉金なので、摩訶大大
将棋/摩訶大将棋が室町期より前の、平安期
に存在する事を、示唆はしてい無い

と結論できるとみられる。
 むしろ墨跡が不明確だが、今回紹介した土
器遺物は、実際に金粒を保管する為に表面に
「奉金」と記載された、金鉱の存在の手がか
りとなる「金墨書土器」が存在するらしい事
を、本ブログが今まで紹介した範囲では、初
めて実際の金粒の存在により、証明している
ように私には見える。(2022/04/26)

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