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大言海の大槻文彦氏、大将棋は15升目の方(長さん)

以前、大将棋を現代的にどう読むのかという点につき、
近代の国語辞典を調査した結果を述べた。よほどの詳
しい辞書で無ければ、大将棋に言及なしと報告した。
 数少ない辞書のうちの2書籍のうちの1書籍、大槻
文彦氏らの新編大言海、西暦1982年、冨山房に、
「おおしょうぎ」と読むとの旨がある。本ブログでは、
大将棋は「だいしょうぎ」と「おおしょうぎ」が拮抗
と主張したが、この調査が大きな根拠のひとつである。
 しかし、男重宝記に、泰将棋を「大将棋」と書いて、
「おおしやうぎ」と読んだ例があり、大槻文彦氏らが、
どの将棋種を大将棋にしているのか、調査漏れがある
のに、最近私は気がついた。
 そこで前記辞書を再度チェックしたところ、

大将棋(おおしょうぎ)のところで「項目の将棋を見
よ」との旨が書かれていて、将棋の所に「泰将棋」が
あるので、15升目130枚制の方を、大将棋と認識
している事が判った。

従って、以前の本ブログの管理人の15升130枚制
将棋の「大将棋」の漢字の読み方として、

だいしょうぎもおおしょうぎもあるとの旨の調査結果
が正しかった

ようである。ちなみに、大将棋を項目名に持ち、
「だいしょうぎ」と読んでいる国語辞典は、今の所私
には、小学館の日本国語大辞典しか発見されてい無い。
 増川宏一氏の将棋Ⅰは、「だいしょうぎ」と読んで
いるが、根拠が私には良く判ってい無い。故事類苑か
ら男重宝記を引くと、「だいしやうぎ」と振り仮名が
振ってある。なお、前記小学館の日本国語大辞典
には、摩訶大大将棋の項目があり「まかだいだいしや
うぎ」と、男重宝記に書いてあるように取れる振り仮
名が付いている。が、古事類苑経由で男重宝記の摩訶
大大将棋に、振り仮名が確認出来無いのは、以前書い
た通りである。
 日本国語大辞典を見る限り、男重宝記の記載が有力
証拠の出所という点は正しいように読み取れる。以上
の事から、本ブログの従来の主張「どちらもある」と
いう結論を崩す根拠が、少なくとも近代の国語辞典を
調査しただけでは、はっきりとはし無い事だけは、確
かなように、本ブログの管理人には、依然として見え
ている。(2023/12/06)

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