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長崎県高来町上田井原遺跡で5C龍馬墨書土器(長さん)

今回は、長崎県の有明海に面した海岸から
扇状地に少し入った平地の地点の、高来町
上田井原遺跡で、古墳時代とみられる広口
壷型土器に、煤に覆われていて若干不明確
なものの整った字で「龍馬」と書かれてい
るように見える、土器が出土しているとの
旨の紹介である。
 遺物の写真はweb上に公開されていて
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
15734_1_中江遺跡・上田井原遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
高来町文化財調査報告書第1集中江遺跡・
上田井原遺跡、1993年、長崎県高来町
教育委員会。
 中江遺跡と上田井原遺跡とは同じく高来
町内にあるものの、やや離れていて関連性
は、大きくはないとみられる。遺物は後者
の上田井原遺跡で出土したようである。
 発掘報告書冒頭例言によると遺跡の場所
は、長崎県北高来郡高来町小江名。また、
発掘報告書第1ページ「発掘調査の端緒」
によると遺物が出土したのは西暦1991
年前後のことのようである。
 遺物の成立年代は発掘報告書第76ペー
ジ付近の記載によると今回の上田井原遺跡
で発掘された遺物は、概ね古墳時代中期の
5世紀のものではないかと、形から推定さ
れているように読み取れる。
 遺物の写真は発掘報告書写真図版第33:
”上田井原遺跡の出土遺物第4”の下から
3段目の左から3個目にあり、遺物番号第
92番との旨、ナンバリングされている。
金魚鉢のような形の、口の広い壷型土器の
ようである。

上田井原92龍馬.gif

 上図のように、写真の左上に漢字で龍の
ように見える黒い模様があり、それに気が
つくと、煤に埋もれて、その右側にやや右
下がりでわずかに小さい大きさで、「馬」
と読めるような模様がある。ただし下部の
点のうち左の2点が、やや、下に下がりす
ぎている。
 古墳時代の馬の水桶なのであろうか。字
が整っており、この遺物も古墳時代の日本
での漢字の成立を、例示しているように私
見される。ただし煤が多く、さほど明快な
例とまでは言えないだろう。(2023/03/27)

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