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秋田県にかほ市前田表遺跡で10C奔王墨書土器(長さん)

 今回は、発掘報告書で「秦」と読んだ
墨書土器に関して、「奉王」かもしれない
という例の紹介である。なお、古代・平安
中期10世紀の遺物であり、比較的よく見
かける例とみられる、朝廷に敬意を払った
という意図とも、取れるように考える。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
11715_1_前田表2遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
秋田県文化財調査報告書第451集前田表Ⅱ遺跡、
西暦2010年3月、秋田県教育委員会。
 発掘報告書末尾の抄録によると遺跡の場
所は秋田県にかほ市両前寺字前田表145。
遺物が出土したのは西暦2007年前後の
事のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第46ペー
ジ付近の記載から、遺物は「秦」に似た文
字が書かれており10世紀の平安時代中期
との旨が同発掘報告書に書かれているよう
に私には読み取れる。出土場所は当時の、
律令集落のようである。
 遺物の写真は、発掘報告書の写真図版第
7の、右の列の第3段目にある「赤外線
写真」であり、遺物番号第151番との旨、
ナンバリングされている。カワラケか杯の、
底の裏側の写真のように、私には見える。

前田表奔王.gif

 上図のように一見して「奉」型墨書土器
であり、繰り返すと発掘報告書でも「秦」
に類似の字が、書かれているのであろうと、
見ているようである。
 一字の可能性が濃厚なのかもしれないが。
「奉王」と書こうとしている疑いも、残る
かもしれない。祭祀用の土器なのであろう。
(2023/04/16)

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