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月軌道の地球海水引力理由の拡大の黄経不等への影響(長さん)

天文の成書を幾つかあたると判ると思うが、月は
地球への潮汐作用への反作用で、表題のように、
地球から遠ざかって、黄経が経年で減加速して
いる。一応、その影響がどの程度か、チェックし
てみた。以前に、地人書館の、日の出日の入りの
計算(長沢工)を紹介したが、以下の成書にも、
海上保安庁水路部起点の、月の黄経計算方式の説
明がある。
”天体位置略算式の解説”井上圭典、鈴木邦裕
海文堂、西暦1991年。

月の黄経.gif

長沢工氏著書の紹介と違い、sinが、
”DEF FNc(os)”つまり、cosin
になっているので、元期が-90°または、
270°ズレている。なお上の写真では、内容が
日本電気社製のbasicインタープリターに読
み込ませて実行させる、”プログラム”の形で書
いてある。また西暦1999年12月31日の
0時(UT)を起点として、100年を1として
年月日時刻(T)を計算する”Tが世紀単位”
計算なので、波数の値が全部100倍になってい
る。が、長沢氏の著書と、同じ内容のものである。
長沢氏の記載は、tやTで表される年月日時刻
(Time)がベッセル年型だという意味である。
 こちらの方は、行番号の650に、月の軌道が
地球への潮汐で盛り上がった海水で、引きずり上
げられる項が、-0.00133Tの2乗だと出
ている。赤いアンダーラインの部分であり、長沢
氏の著書では、明確に書かれては、い無かった。

2000年で、0.4°になるので、その程度
月の位置を継続して観測すればだが、1週間、
1ヶ月程度、毎日の観測で出てくる量では無い事
が判る。

 ようするに、上図のようにT=1が100年で
あっても、時間の2乗項だが千分の1の値らしい。
 なお地球の自転周期は不安定であり、2000
年前の今の時計での正午や真夜中は、当時の社会
でまともに暮らしに使える時計では、同じ日だが、
11時30~45分頃と、23時30~45分頃
だったという旨の解説が同成書に有る。地方時を
長安にするか、奈良にするか程度の誤差である。
その点でも、月の潮汐による軌道の遠ざかりは、
別の誤差の中に埋もれてしまって、余り目立たな
いらしい。
 ちなみに地球の自転は、全体としては速度が遅
くなるが、2000年位の間では、自然の摂理に
比べて、考えている時間の長さが短すぎ、遅くなっ
たり速くなったりで、予測不可能との事も書いて
あった。なので、原子時に置き換えられ、最近で
は、”うるう秒”が入れられるようになったとも、
井上圭典、鈴木邦裕氏の著書にも解説がある。
 なお上図で、文番号660、670のfixは、
整数部分を取り出す事を示している。切捨て、切
り上げ、四捨五入の何れでも無い。0°~360°
の間に、数値を収めるための計算をしているとの
事である。また、月の黄経不等の項が、文番号
680番以下リストされているが、文番号710
番と760番は、月の黄道に対する軌道傾斜角が
0になると消える項という理由で、本ブログでは
項番号で数えていない。行番号710番の項が、
そのような”黄緯への効果の黄経への引き直し項”
なのはwebにも紹介されている。行番号760
番の緑線は、たぶんその仲間だと疑われるが不確
か。本ブログの管理人が、

たぶん行番号760番も、月の軌道傾斜角が0な
ら、無い項だろうと思っているだけ

で、数に入れていないだけである。本ブログの
管理人の数え方で、月の黄経不等の”月角差”が、
10番目になったのは、その為である。
 蛇足だが第1項の中心差から第10項の月角差
の中で、最も説明が難しいのは、恐らく食年に関
連しているとみられる、第5項だと考えられる。
第4項まで名前が付いて、第5項が”名無し”な
のは、ひょっとすると、その為かもしれない。
 何れにしても、月が地球の海の水の引力で、軌
道が変わる効果は、

とても有名だが、本ブログの今の議論では無視し
て良い

と結論出来る。(2020/05/30)

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