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持駒ルールの禽将棋歩み走り実数化が有効か(長さん)

以前に述べたように、歩みと走り駒を実数化
した将棋・チェス類で興味深い挙動を示した
のは、持ち駒ルールの有る日本将棋と、
どうぶつ将棋の2種類だけだった。取捨て
ルールの将棋・チェス類は、国内産、外国産
共に、打ち駒が無い為変化に限界があり、
改善は限定的だった。5五将棋は、たまたま、
角の筋代わりが出来ると、ゲームが劣化した。
 ところで、5五将棋のテストは、日本将棋
と、どうぶつ将棋の中間を調べるためであり、
中間的ゲームとしては、他に禽将棋が有る。
では、禽将棋では歩みと走りを実数化すると、
面白くなるのだろうかが、今回の論題である。
回答から書くと、

面白くはならなかった。

原因は、前方斜め走り駒が無いため、指し駒
をするとき、筋違いにはほぼ移動しないので、
整数型と同じだからである。
 では、説明を加える。
 実際に禽将棋を指してみると、変則的な
打ち駒の着手は、ほぼしなくて良いとみられ
た。3歩打ちは駄目だが、2歩打ちまでが有
効なので、その性質を使うケースが多く、実
数化した事を利用しての工夫の局面が、ほぼ
無かった。
 そして、そもそも角行のように斜め前走り
する駒も無いので、指し駒で交点置きの着手
もほとんど無い。

だから実数型の禽将棋は整数型と、ほぼ同じ

だ。従って禽将棋の場合、同じ持ち駒ルール
であっても、どうぶつ将棋のような、トライ
模様のライオンを追いかける変則位置の打ち
駒も無いので、どうぶつ将棋のように面白く
もならないし、角行が無いので、日本将棋の
ように面白くもならなかった。

本来、もっと日本将棋に近い、駒数少数将棋
と日本将棋だけが面白かったのだが、トライ
ルールが有ったので、どうぶつ将棋もたまた
ま面白くなっただけ

であったようである。
 よって、

持ち駒ルールでも特殊なケースだけ、実数
ルール化が有効

だというのが、どうやら実態のようだ。
(2020/08/11)

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歩み走り駒実数動き日本将棋の千日手規約(長さん)

以下、概念ではなくて、どのような表現で、
千日手の規定が表現されるのかについて述
べる。
 以前に、歩みや走り駒が整数型の普通の
日本将棋とは異なり、棋譜が完全一致しな
くても、事実上の同一局面と見なせるケー
スが、歩み走り駒が実数型の場合には生じ
るだろうと述べた。だから、同一局面、同
一手番4回目で千日手の引分けが成立する
という事を基本としたとしても、実数動き
の日本将棋では、完全同一棋譜以外の状況
も、千日手成立と認めざるを得ないケース
が考えられる。以前の議論の際には、
位相幾何学やグラフ理論が必要になるだろ
うと本ブログでは述べた。
 しかし、最近現実的なケースを考えると、

そもそも将棋では、多くの駒を同時に動か
せないので、局面が違うかどうかに関与す
る駒は、1枚ないし2枚しか無い

のではないかと、気が付いた。
手番までいっしょで4回同じ局面が現われ
たかどうかを問題にする具体的な、同一が
疑われる局面では、基本的に

逃げと追っかけの場合は、敵味方1枚づつ、
取り合いの小康局面では、直前に相手駒を
取った1枚の駒位置の、一致が問題になる

だけだろうと考えられたからである。
 そこで、仮に今述べた1枚ないし2枚の
駒を千日手関与駒と表現するとすれば、
実質的同一局面を

同一局面が疑われる局面で、千日手関与駒
の位置が、コンマ以下の座標差であって、
利き筋関係に差が全く無く、かつ毎回決まっ
た直線上に乗っていて変移量に関して、向
きによる偏りが無いケースは同一と見なす

とした上で、同一ないし実質的同一局面が、
同じ手番で4回現われたら、連続王手で
無い限り、引分けの千日手として良いので
はないかと、一応は考えられたのである。
 ただし、次の注意書きが必要なようだ。

変化に方向性があっても、あと3回同じ傾
向の着手を互いにし、その結果の同一類似
局面の出現で、他の着手が出来ない、鈍い
手筋の繰り返しとみなせる場合は千日手。

そこで、今述べた内容について次に説明を
加える。下記は、なんらかの理由で先手が、
8八位置の銀将のポジションを維持したい
局面だとする。

実数日本将棋例外千日手.gif

後手が△7九銀と打ったので、良い手かど
うかは別として、▲9九銀と打ち返した。
本当は▲9七銀打ちの方が良いのだろうが。
それは、さて置いて。
 この状態で他に双方持ち駒は無いとする。
後手△7.5(+),八・五(-)銀で、
先手の8八位置の銀を取り、先手が
▲同8八銀で元の、局面に戻る。このとき、
更に後手が△7.05,九銀と打つと、
次の取り合いの後に、先手の銀の位置は、
少し変わる。8.03,八・〇三程度の位
置変化が起こるだろう。後手が袖に銀を打っ
て行くとだんだんに、8八位置の先手銀は
下がって行くが、八・三の段まではたぶん
10回程度繰り返さないと下がらない。そ
の為、5九位置の後手竜で取り返せない。
だから、

後手は、7九位置付近に打つ銀を、もっと
袖近くに寄せて打たないと、わざと繰り返
しを狙っていると疑われてもしょうがない

事になる。つまり、後手が△7.8九銀等
と打つ手をしないで、7九位置に近い所に
銀を打つループを繰り返している場合は、

終わる事の無い千日手を、わざと着手しよ
うとしているとみなされてもしょうがない

という事になるのである。このようなケー
スも、整数型日本将棋とは違って実数型の
場合は、

懲罰的な千日手で引分けにする必要が有る。

上で述べた注記は、今述べたような内容の
ものを、意図したものである。(2020/08/10)

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大阪府四条畷清滝遺跡無地3枚目玉将駒の可能性(長さん)

さいきん山形県天童市、天童市将棋資料館の
天童の将棋駒と全国遺跡出土駒をチェックして
私は気がついたのであるが、西暦1184年
程度に成立だとされて著名な、表題の大阪府
四条畷市上清滝遺跡の、石または王将駒、
裏未確認歩兵駒と共出土したとみられる無地
駒が、奈良県の興福寺以外では見出されない、

上代末~中世期の玉将駒ではないか

と、個人的に疑われ出した。
 天童の将棋駒と全国遺跡出土駒では、モノ
クロ写真になっているが、web上には、
以下のファイル名のpdfファイルの、35
ページ左下にカラー写真が掲載されている。

大阪四条畷上清滝3枚.gif

 解像度は成書、2003年発行の山形県
天童市の将棋資料館による、
天童の将棋駒と全国遺跡出土駒の写真とほぼ
同じである。
pdfファイル名:
70937_1_清滝越えの道:一般国道163号の発掘調査より.pdf
ファイルの頭の数字の書き方から察するに、
今まで何回も紹介した、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に収録されているようであ
る。
 文献の表題は、
”第21回特別展 清滝越えの道
一般国道163号発掘調査より”
であり、発掘調査の報告書そのものとは言え
ない。つまり写真が載っているだけだという
意味である。問題の写真をよく見ると、
右端の、中央の王将または石将とされる駒よ
り僅かに大振りに見える、いっけんして字が
書いて無いような駒を、ここでは問題にして
いる。左側の歩兵が、新安沖沈没船出土駒の
歩兵駒に、大きさ形の比率が近く、成立年代
がより後代ではないかと、本ブログで疑って
いる点については、だいぶん以前に述べた。
 薄く墨跡が有って、2文字目は将のように
も見え、第1字目は墨では無くて、白抜けで、
1字目が上半分だけ見えていてかつ、

王に点がある玉将かもしれない

とも思える。

はっきりしない。金将なのかもしれない。

以上、かなり曖昧であり有力な情報では無い
が、今後議論する際には、少し注意したいと
考えている。(2020/08/09)

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歩み走り実数将棋類は持駒ルール型だけ有効(長さん)

以前、歩み駒と走り駒が実数ルールの各国
ゲームをチェックし、西洋チェスの系統で、
ゲームが面白くなるようなものが無いと述
べた。日本の将棋類については、中将棋よ
りも駒数多数の物について、整数動きから、
実数動きに変えて、ゲームが良くなるもの
は無かった。ただし、平安小将棋9升目の
標準型については、中盤直前の旦代の行き
詰まりが回避されそうであった。
 今回は、実数化が西洋チェス類について、
芳しくなかった状況から出発してそもそも、

取り捨てルールの将棋・チェスゲームでは、
他の将棋類のゲームでも、概して成績が良
くないのではないかという点について、
8升目型の原始平安小将棋でチェックした

ので、結果を紹介する。結論から言えば、

yes.のよう

である。
 では論を開始する。
 実際に、原始平安小将棋を実数ルールで
指して見ると、

整数型とほぼ差が無い

事が直ぐに判った。9升目の平安小将棋
標準型で、旦代の行き詰まりは回避された
が、後者についても、取捨てルールで指す
限り、

ほぼ、差はそれだけ

のものであった。
 角行型の走り駒が無いゲームについては、

取捨てゲームだと、整数型と実数型と実数
型とで、差が更に少なくなるだけ

のようだ。
 兵駒だけ例外で他は完全に配列自由にす
ると、シットゥインでは馬で、出だしに相
手陣に直突入出来、盲点動きをし続けるよ
うに、自分の兵の斜め前に配列される可能
性があるのかもしれない。そこでミャンマー
の象棋類であるシットゥインだけは例外だ
が、恐らくマークルック等、他の実数化可
能なゲームも含めて、

整数ルールを実数ルールに変えると、面白
くなる取捨て型象棋・チェス・将棋ゲーム
というものは、現実には、ほぼ存在しない

と見て、恐らく良いのではなかろうか。以
上のように、ここへ来て思われるようになっ
て来ている。(2020/08/08)

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歩駒走駒実数動きのプロイセンチェスへの効果(長さん)

以下、外国の将棋・チェス型ゲームへの、
走り駒等の、実数歩数化の効果について述べる。
 表題の”プロイセンチェス”と意訳されると
みられるゲームは、19世紀初頭のドイツの
駒数の少し多い、昔のチェスゲームである。
梅林勲・岡野伸著の世界の将棋の、
31ページ付近に、プロイシシェ・シャッハ
という名称でゲームが紹介されている。
成立は西暦1806年、C.E.B-
FREYHERR VON HOVERBECK
の考案であると記載されている。11×11
升目双方25枚制である。
 特徴は、奇数升チェスであると共に、
ビショップ駒が双方に4枚づつ、クイーン駒が、
双方に2枚づつあると言う点である。斜め走り
駒が、チェスの倍の数存在する。
 以前述べたように、走り駒を整数動きルール
から実数動きルールに変えても、筋の合った
斜め走り駒が無い西洋チェスでは、効果が少
ないとの事であった。だから、筋の合う斜め
走り駒の多い、駒数多数のチェスゲームであれ
ば、西洋チェス類でも、実数化の効果が有る
程度出るのではないかと考えられたのである。
結論を述べると次のようになった。

余り面白みは出なかった。
先行きが見えているゲームの流れが、より速く
なっただけである。

では、以下経過を説明する。
 この古典チェスゲームの初期配列を、日本
の将棋駒でそれぞれ概ね置き換えて、判り易く
すると以下の図のようになる。

実数プロイセンチェス.gif

今回は、角行駒の筋変えの効果を強く見るため、
オープンオフィスのDrawは使わずに、交点
置きを升目で置き換え普通に、マイクロソフト
のエクセルを用い、23×23升目盤で、
プロイセンチェスゲームをチェックしてみた。
 プロイセンチェスでは飛車駒が双方に2枚の
ままなので、活躍は限られていて、ビショップ
または角行の、交点置き着手だけを目立つよう
にさせれば、ほぼ状況判断可能だろうと見た為
である。
 なお、駒名で猪猫は、兵駒であり、普通に
動くときには嗔猪動き、駒を取るときだけ、
猫叉動きになる事を示している。このゲームで
は、成り駒は無い。
 また、八方馬はナイト動き、このゲームでは、
双方に3枚づつ有る。
 ただし最下段の王の隣に有る、バッテリーと
言うのが元の名の、図で弓狛犬と表示した駒は、

広将棋の弓の類の駒であって特殊

である。ただし広将棋の弓とは異なり、動かな
いで3升先まで1枚射る。動くときには射らな
い。しかし動きそのものが大きく、狛犬のルー
ルで跳ぶ。踊り喰いは無い。この駒があるので、

終盤は王がバッテリーに追われる展開になるの
は、ほぼ見えている。

実際に指してみると、

クイーン駒、ビショップ駒の互い取りが、
整数型より実数型の方が、複数枚、同地点狙い
が、し易いため、それが進んで局面展開が速く
なるだけ

である。プロイセンチェスでは

元々、ゲームの流れが見えているので、実数化
による面白みの増加感覚は、ほとんど生じない。

現実として、西洋チェス型のゲームで、歩み駒
と走り駒を実数型に変えて、面白みの増加する
ゲームは、残念ながら、ほとんど無い疑いが濃
いように、だんだん私には思えて来た。
(2020/08/07)

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実数動きの9升目平安小将棋に旦代難点は無い(長さん)

従来より本ブログでは、平安大将棋の発生要
因は、白河天皇の肩を持った大江匡房に対す
る反発から来る9升目平安小将棋に対する対
抗意識との事であった。そして平安小将棋9
升目標準型に、中盤直前の行き詰まり局面、
”旦代難点”が存在する事を利用しての、
平安大将棋の陰陽寮に依頼しての作成という、
藤原摂関の反発行為が現にいま、平安大将棋
が記録に残る理由との事であった。
 ここで、旦代の行き詰まりとは、模式的な
局面として、4段目に平行に歩兵を1歩上げ、
四隅の香車は互いにそのままにするものの、
他の駒を端筋を除いて、3段目に2列目から、
銀将、桂馬、金将、王将、金将、桂馬、銀将
と互いに上げた局面で、先手から駒得の攻め
が見当たらず、指しようが無いという内容で
あると、本ブログなりに解釈してきた。
 しかしながら今回、整数型の平安小将棋9
升目タイプとは別に、歩み駒が実数動きの
新作平安小将棋(9×9升目標準タイプ)を
考えると、以下説明するように、旦代の行き
詰まりが無いようだと気がついたので、報告
する。
 すなわち、今述べた局面から、先手右辺で
打開するとして、以下のように指す。
▲2,五・七(+)歩兵、△2,四極微動歩兵、
▲2,六・四(+)銀将、△2,三・三銀将、
▲2五桂馬、△2,四・三(+)同歩兵(桂馬取)
▲2五同歩兵(四・三(+)歩兵取)△2五同桂馬
▲同2,五・七銀将(桂馬取)
この局面で、後手の銀将は、三・三段に居る
ので、2,四・三までしか移動出来ない。
また、後手銀の排除円の円周は三・三段に居
るときに、四・〇段にある。
他方先手の銀将はいうまでも無く、五・七段
に居るので、排除円円周は五・〇段にしか達
していない。だから、後手はこの直後
△2,四・三(-)銀将と前進させて、

にらみ合いの状態を作るしか無い。

つまり、
普通の整数9升目平安小将棋のように、

先手の駒損は発生しないので旦代難点は無い

のである。理由は、この実数型ゲームでも、
取った駒が、整数型と異なり、かなり手前で
止まってしまうのが原因で発生するのである。
 従って、このケースは、先手の手番得で
更に着手が出来るので、持ち駒ルールが有る
にせよ無いにせよ、整数型のように、9升目
型の平安小将棋の局面は、実数型で指すと、
固まらない疑いがどうやら有る。以上のよう
な事になっていたのである。(2020/08/06)

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実数型日本将棋。千日手の規定はどうすべきか(長さん)

以下、歩み駒と走り駒が実数動き、停止点が
排除円円周上である、新作の日本将棋の、
千日手の規定について論じる。論点は今の所、
歩数を

微妙に変えて別の手が指せるという点に集中

する。結論から述べると、

グラフ理論、トポロジーと言った数学を将棋
の世界に導入しなければならなくなる

と見られる。では、論を開始する。
 そもそも、大意無く普通の着手をして、
新作実数日本将棋で千日手になる、パターン
そのものに関して、整数型と大差が有るとは
考えにくい。
 互い取りが排除円の円周で止まるために、
実数型では整数型に比べてむしろ千日手自体
が、出来にくく傾向が有る位であろう。
だから、
形式的には、4度目に同じ手番で同形になっ
たら、連続王手で無ければ引分け
という、

整数型動きの日本将棋のルールを実数型新作
のそれに対しても援用して良い

と見られる。しかしながら、実数型の場合、

心理戦等で、微妙に歩数を変化させて別着手
をするという手が存在する。

その為、実質的に千日手模様であるが、引分
けで終わらす事が出来ないケースが、当然だ
が発生すると予想される。
 しかしながら、たいがいの場合は、わざと
そのように着手している事は、明らかであろ
う。どうしてかと言えば、

駒の働き方その他が、ループの各点で実質同
じになり、座標を少し歪ませたり、駒同士の
相互関係を、グラフ理論で考察する等すれば、
同じ局面とみなせるはず

だからである。従って、このようなケースは、

実質的同じ局面である事を、数学的なトポロ
ジーの議論やグラフ議論で定式化すれば解決

できると、当然だが予想される。そのように、
ルールを再度決め直せば良いのではあるまい
か。
 いっけん、煩雑に見えるが、むしろこうし
た議論がある事自体、

単なる遊びではなくて、数学の学習効果が
有る証拠

である。毛嫌いされるとすれば、ゲーマーが、
それまでの定型世界に埋没しているためだと、
逆に非難されるのではなかろうか。
 従ってこうした、近代的な数学的問題に、
ゲームルールが

絡んでいる事自体が、実数型の従来整数型
日本将棋に対する、より大きな伸び代の証拠

であると、捉えるべきであろう。以上のよう
に私は考えるのである。(2020/08/05)

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実数型新作日本将棋の入玉規定はどうする(長さん)

以前から何回にも分けて、歩み駒と走り駒
を実数動き化した、日本将棋について議論
して来た。角行の筋変えが容易なため、
ゲームバランスが完全に崩れるわけではない
ようだが、整数型に比べて急戦型の将棋に
なる事を示した。また、玉の守り駒を打てる
位置が増大するため、詰みにくい将棋になる
とも述べた。特に後者の事から、

相互入玉が起こりやすくなり、引分けになる
事が多くなってしまうのではないかとの懸念
が生じる

とみられる。今回は、この点につきチェック
してみた。結論を述べると、

持将棋になる事を、暗黙に合意し各自の陣を
固めあうと確かに持将棋が増えるが、正当に
攻めあうと、相互入玉局面からも勝負が付く
ことが有るようだ

という結果になった。
 では、以下にもう少し、詳しく報告する。
 今回は、下記のような相互入玉状態を積極
的に初期配列として、実数型日本将棋のルー
ルで指してみた。

実数日本将棋相互入玉.gif

 相互に自陣4七の位置の金が浮いていて、
中央の駒は、大量に持ち駒となる可能性が
高いとみられる。
 実際に指してみると、取った歩兵を全部、
と金として、陣を相互に固めてしまうと、
確かに持将棋になりそうである。
 しかしながら、相互に勝負を付けようと
して攻め合いを始めると、

角や龍馬、銀の攻撃力が整数型に比べて強い
ため局面展開がその分、より激しくなり、こ
んな局面からでも勝負が付くことがありそう

であった。
 従って、このような配置からは、
通常の日本将棋のように問題無く無勝負と
までは、言えないと考えられた。つまり、

持将棋規定は、実数型新作日本将棋では、今
の所は決めて置かなくても良い可能性が高い

とみられた。またそもそも、

実数型の方がどうしても、中盤で持ち駒の数
が整数型より多くなりがちなので、入玉によ
る勝ちや引分けは、玉の前進が妨害されて、
双方暗黙のうちにそのつもりで指せば別だが、
一般には、多少起こりにくいのではないか

とも考えられるようである。(2020/08/04)

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富山県高浜市中木津遺跡より王将香車入り杯(長さん)

以前から何箇所も紹介したが、おそらく表題の遺物
も、奈良文化財研究所の発掘報告書のデータベース、
全国遺跡報告総覧のデータベースに収録されている
情報だと思われる。すなわち西暦2010年前後の
発掘で、表題の、富山県高浜市中木津遺跡(近世の
神社跡らしい)から、王将駒と香車駒の図柄の入っ
た18世紀の、杯のように見える物品が1品、出土
しているとの事である。

富山県高浜市中木津遺跡杯.gif

 web上で、以下のpdfファイル名で、出土品
が紹介されている。
17687_1_中木津遺跡・西木津遺跡調査報告.pdf
文献の表題は、次の通り。
高岡市埋蔵文化財調査報告第26冊
中木津遺跡・西木津遺跡調査報告
高岡市教育委員会(2014)
写真は上記報告書の143ページ付近の図版に有る。
現場では他に、18世紀~19世紀のものとみられ
る遺物が、かなりの量共出土しているという事であ
る。
 将棋の絵は、王将の先が鋭角すぎるため、匠のも
のと、言うほどのものではなさそうである。単に、
たまたまの図案という感じ。香車駒の白・黒反転は、
やや洋風か?。幕末から明治の時代のもののように、
一見すると私には見える。もっとも戦国時代の福井
一乗谷朝倉氏遺跡からも、類似の反転図柄の玉将駒
を描いた木札が出土しているから、それだけでは、
成立時代を推定する、決め手にはならないだろう。
”骨董品”として、仲間が現存しないのだろうか。
(2020/08/03)

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実数型摩訶大将棋は整数型と差が有るのか(長さん)

以前述べたように、歩みと走り駒を実数型、
跳びと踊りを、ほぼ整数動きのままにした
摩訶大将棋大阪電気通信大学(ただし今回のテ
ストでは、桂馬が横飛の先歩兵にも利き筋有り
の、桂馬跳び型を一応仮定)バージョンは、
オリジナルとゲーム性能がほぼ同じと予想され、

複雑化させるだけ無駄と予想

できるという事だった。今回は、それを実際に
確かめ、結論を言うと、角の筋変えで、出だし
の攻防が、激しくなりすぎるため

オリジナルの方が、角の筋変えが無い分、
むしろ少し良い

事が判ったので、以下に報告する。つまり、
摩訶大将棋では、実数ルールはむしろだめだ
と言う事である。なお、跳びで途中の”仮着地”
で、微小揺れが出来、相手斜め0.5升盲点駒
が1枚まで取れるというルールは、ほど良い加
減であり、それで問題は無いようだった。
 では、以下に経過を紹介する。
実数型の摩訶大将棋では、整数型とは異なり角
行が交点へ移動出来るため、下記の図のように、
3.5七・五の位置に、筋変えで角を繰り出し
てくる戦法が考えられる。

実数摩訶大将棋駒組.gif

 ここからは、先手側から攻めるとして、次の
ような展開が、一例として予想される。
▲10.5六・五龍馬(左)△10六オリジナル夜叉(龍馬取)
▲10.5六・五角行成(夜叉取る)△10六奔王(角行取る)
▲10.5六・五左車成(奔王取る)△8六摩羯
▲10六成左車△同10六狛犬(成左車取る)
▲9.5六・五龍馬(右の)△9六(+)微動歩兵(龍馬取る)
▲9.5六・五角行成(9六(+)の歩兵取る)△12五鉤行
▲9.5七・五成角行△11七摩羯
▲10.5六・五成角行△11六飛龍(成角行取る)
▲9.5六・五右車成(結果の部分図は以下。)

実数摩訶大将棋変化.gif

 なお、大阪電気通信大学オリジナルでは、
成りルールが特殊で、9.5,六・五位置の
右車は10六へ移動すれば不成りのまま、相手
獅子取りが掛かる。ともかく以上で相手の咽喉
に、拠点が出来た。ちなみに成り右車には、写
真では切れてしまっているが、先手の手前、
11十五位置の摩羯が利いている。摩羯はオリ
ジナルより強く、鉤行の価値に近い。またこの
ケースは、元々先手と後手で同形であるから、
後手もこの後、同じように指してくると、見ら
れる。致命的に酷い訳ではないが、整数型に比
べて出だしの攻防がやや激しすぎ、オリジナル
の整数型摩訶大将棋の方が、やや出来が良いと
言ったところか?
 日本将棋でも、角が筋代え出来るので、整数
型に比べて実数型は、急戦になりやすいのだが、
摩訶大将棋の少なくとも19×19升目タイプ
では、その影響が日本将棋よりも、たまたまだ
が、それが大きすぎのようだ。
 よって、冒頭で結論したように、実数型の
摩訶大将棋は、普通の摩訶大将棋と、どっこい
どっこいなので、変える意味がないと言うより
は、ややゲームに劣化傾向があるので、積極的
には今の所、薦められない状況と言う事になる
と考えられた。
 なお、桂馬の跳びのルールに関しては、師子
の跳びを、整数型に近くしたため、相手横飛前
の歩兵を師子を繰り出して、本来なら取れると
いう点に、整数型と実数新作ゲームとで、基本
的に変化が無いのだが、

横飛自体が筋変え出来るため、高跳び師子を、
取り返す事が出来、その分新作ゲームの方が、
この点に関してだけは、良い可能性がある

と今の所私は考えている。ただし今度は、交点
位置に居る横飛自体の存在が、味方の横行や飛
車の、横利きの邪魔になるのだが。(2020/08/02)

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