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山梨県中央市小井川遺跡で明治期獅子吼犬墨書塔婆(長さん)

今回は、山梨県中央市の河川氾濫源地帯
とされる墓地跡とみられる発掘現場から、
漢字で「獅子吼女」と書かれていると見
られる明治時代の、卒塔婆が出土してい
るとの旨の紹介である。

故人の悪口を書いたような内容の為、
後世薄気味悪がられ放置されて残存した

のではないかと、個人的に疑っている。
 遺物の写真がweb上に公開されて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書デタベース、
全国遺跡報告総覧に登録公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
7253_1_小井川遺跡Ⅱ.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第241集
小井川遺跡Ⅱ、2007. 3、山梨県教育委員会・
山梨県土木部。
 発掘報告書末尾抄録によると遺跡の場
所は山梨県中央市布施地。遺物が出土し
たのは、西暦2005年前後の事のよう
である。
 遺物の成立年代は、同じく発掘報告書
末尾例言により遺跡全体が明治時代の墓
所と見られ、人骨が複数出土しているよ
うである。
 遺物の写真は発掘報告書写真図版の第
18の左下にあり、ナンバリングされて
いないが、「塔婆」であるとの旨付記さ
れている。

小井川獅子.gif

 上図のように2本、内容はいっしょの
ようであり、特に右側にははっきりと、
「獅子吼何がし」と4文字程度の漢字が
書かれていて、発掘報告書でも第4文字
目不明で、竹カンムリの漢字かと記載さ
れている。内容に関する発掘報告書での
議論は、私には発見され無い。
 本ブログでは第4文字目に関して、む
しろ左側の塔婆の方が良く残っていて、
「女」と読む。なお、諸橋哲治の大漢和
辞典によると、4文字熟語の指摘は無く、
3文字熟語であって「獅子吼」で、文字
通りの意味の他、「口うるさい女房」と
の悪口の意味が中国には有るようである。

獅子吼女という熟語は、日本語としても
恐らく無いが、他界した配偶者に対する
男ヤモメの自分で書いた悪口

のようにも見える。元よりこれだけでは
事情は不明だが。塔婆に書かれた内容が
奇異なため、後世気味が悪いので、処分
せずに放置したところ、腐らずに残って
21世紀に出土した疑いがあるように私
には感じられる。獅子・狛犬・吼犬と書
かれていたとしたら大局将棋関連だが。
第4文字目が「犬」である可能性は、上
図を見る限り、少ないように私は思う。
(2023/05/12)

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