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大阪府八尾市田中井遺跡で弥生中奔王墨書土器(長さん)

 今回は、大阪府出土土器の中に、成立
年代が弥生時代中期と、著しく早い、
漢字で「奉王」と書かれている遺物が
出土しているとの旨の紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書デタベース
全国遺跡報告総覧に登録公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
4434_2_八尾市埋蔵文化財発掘調査報告昭和63年度.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
(財)八尾市文化財調査研究会報告17
Ⅰ.東郷遺跡・Ⅱ.田中井追跡、1989年3月、
財団法人八尾市文化財調査研究会。
 今回紹介する遺物は、このうち後半の
田中井遺跡で出土したようである。
 発掘報告書田中井遺跡編「調査に至る
経過」により大阪府八尾市田中井4丁目。
遺物が出土したのは西暦1984年前後
の事のようである。
 遺物の成立年代は、遺物の形から発掘
報告書第177ページ付近の記載により、
弥生時代中期、中国の秦王朝~前漢時代
程度に成立したと見られているように私
には読み取れる。
 遺物の写真は発掘報告書田中井遺跡の
写真図版編の写真図版第6:”第1次
調査第10層出土遺物”の第2段目左側
に在り、遺物番号第54番との旨、ナン
バリングされている。台付き杯土器のよ
うに、私には見えるが、田中井遺跡編
発掘報告書第201ページ付近によると、
壷の口の部分と、解釈されているようで
ある。

田中井奔王.gif

 上図のように、側面の左の縁に漢字で
「奉」、中央下に漢字で「王」とも読め
るような、黒い模様がある。
 前漢王朝の時代の皇帝を奉じた、渡来
人筆のもので、大阪府にその時点で在住
であり、活動結果の成果物を本国中国へ
送る貢ぎ物が、壷に入れて送るという性
質のものが含まれる事を、示唆している
ように、私には疑われる。(2023/05/26)

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