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山形県鶴岡市矢馳A遺跡で平安初竜王等墨書土器(長さん)

 今回は、山形県鶴岡市の表題の大山川
流域の、現在水田地帯とみられる流水域
の遺跡で、平安初の竜神信仰とみられる、
漢字で「竜王」と読める墨書遺物等が、
出土しているとの旨の、紹介である。
 遺物の写真がweb上に紹介され、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が
奈良文化財研究所発掘報告書デタベース、
全国遺跡報告総覧に登録公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
6444_2_矢馳A遺跡第2~4次発掘調査報告書.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
矢馳A遺跡第2~4次発掘調査報告書、
2012年、財団法人山形県埋蔵文化財センター。
 発掘報告書冒頭調査要綱によると遺跡
の場所は山形県鶴岡市大字矢馳字下矢馳。
遺物が出土したのは西暦2006年前後
の事のようである。
 遺物の成立年代は2個の遺物は何れも、
第833番河川跡から出土したが、発掘
報告書第1本文pdfの第354ページ
付近の記載から、遺物の形態から8世紀
中頃から9世紀初の、奈良時代から平安
時代初の成立とみられているように、私
には読み取れる。
 以下に表題の「竜王」墨書土器を示す。
 遺物の写真は発掘報告書第2写真図版
pdfの写真図版第167:”北東部遺
構群出土土器、SG833出土須恵器坏
(1)”の右側最下段に在り、遺物には
スケッチ図第161番の遺物番号第10
番との旨付記されているようである。

矢馳10竜王.gif

 上図のように、明快に墨書があり、私
には漢字で竜王と記載されているように
見える。発掘報告書では、「廣人」と
釈文されている。真ん中の黒い煤模様は、
何れの解釈でも解明してい無い為、両方
確定的では無いと私見する。本ブログの
見方を取るとすればだが。河川氾濫地帯
の古代の竜神信仰からくる祭祀用ではな
いかと、考えられるのではと思う。
 次にこの発掘では同じ河川跡から漢字
で、奉王のように見える、別の土器が出
土している。
 遺物の写真は発掘報告書第2写真図版
pdfの写真図版第166:”北東部遺
構群出土土器、SG833出土土師器坏・
須恵器坏”の下から2段目の左に在り、
遺物にはスケッチ図第160番の、遺物
番号第16番との旨付記されているよう
である。

矢馳16奔王.gif

 上図のように、今度はかなり薄いが、
図の中央やや右に寄って、縦に漢字で
「奉王」と書かれているように私見する。
古代の京都朝廷への貢物に関連する物品
容器のように、私には後者については見
る。恐らく両者は、だいたい同じ時代の、
同系統のものであろうと思う。(2023/05/14)

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