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静岡県掛川市梅橋北遺跡で平安期泰山墨書土器(長さん)

 今回は山を奉じると同時に、山岳部で古
代に技術的な活動をしていた「巧み」を奉
じているようにも見える「奉山巧」と書か
れている事が疑われる出土椀型土器の話題
である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が
奈良文化財研究所発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
1429_1_梅橋北遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
静岡県埋蔵文化財調査研究所調査報告第14集
梅橋北遺跡、1988年、財団法人静岡県埋蔵
文化財調査研究所。
 発掘報告書冒頭例言によると遺跡の場所
は静岡県掛川市徳泉。遺物が出土したのは
西暦1987年前後の事のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第55ペー
ジ付近によると、漠然と平安時代と見られ
ている以上の、詳しい事は不明なように
発掘報告書からは読み取れる。
 遺物の写真は発掘報告書写真図版第19
の下から第2段目右端に在り、遺物番号第
107番との旨、ナンバリングされている。
杯型土器の裏側のようにも見える。発掘報
告書第61ページによると椀との事である。
なお、写真図版第19は墨書土器集であり、
他に22枚程度の墨書の在る土器出土物の
写真がある、他のページにわたっており、
総計で約85枚にもなるとの事である。

梅橋北107泰山.gif

 上図のように、上部中央僅かに左に漢字
で「奉」のように見える模様と、その左に
漢字で「山」その下に「壕」か「巧」のよ
うにも見える、はっきりしない模様がある。
発掘報告書の第61ページによれば、墨は
付着しているが、釈読出来て、い無いよう
に読み取れる。
 「奉山巧」で、山を奉じると共に、金属
の採掘の成功を、古代にも弥生・古墳期同
様に祈って、祭祀活動をしているのであろ
うか。つまりは、その始原を示唆する山岳
信仰が、この遺跡付近で古代に存在した疑
いが有るのかもしれないと私は思う。
(2023/06/09)

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