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改善熊澤良尊型大将棋にトライ可能な悪行追加(長さん)

今回は、現代版大将棋のゲームデザインの話題
である。
 本ブログでは、後鳥羽上皇が配流された時代頃、
平安大将棋の2段目と旧3段目の間に、新たに
飛車・横行・竪行・角行・龍馬・龍王・奔王・
龍王・龍馬・角行・竪行・横行・飛車の列が挿入
され、中央旧横行が消えて、角行頭歩兵に、仲人
が2枚追加、注人が消えたと仮定している。
大将棋が鎌倉時代に、徐々に移り変わったという、
溝口和彦流の立場に、元々管理人が立っていたの
が原因だが、今では福島県会津若松市鶴沼B遺跡
の墨書土器の様子等も根拠にしている。
 そして、神奈川県鎌倉市横小路遺跡の不成悪行
駒の存在を根拠に、24節気+72候の96枚
に合わせるため、ローカルルールとして旧横行の
位置に、恐らく平安大将棋旧横行と同じ駒の使い
方ルールの、「悪行」を入れ、無理やり94枚制
を96枚制にすることもあったとみている。
 平安大将棋は、二中歴に初期配列が記載され、
将棋駒の製作家として著名な熊澤良尊氏が前世紀
に、袖第2列を第4列に移動し、旧袖4列3列目
を、新3列2列に外出しする配列を二中歴の記載
の曖昧性が原因で提案している。この配列は、
新94~96枚制自陣4段大将棋の新横行が下段
に下ろせる為に、序盤に斜め走り駒でそれが集中
攻撃を受けた後に、袖を突破される

余りに自明な戦法が回避できるという長所を持つ。
ので、本ブログでは現代版大将棋として採用して
いる。その為に、表題のようなゲーム名になって
いるのである。

 その「自明な戦法」は94~96枚制では無く
て108枚制と見られる為、嗔猪という今紹介し
ている改善熊澤良尊型大将棋には、無い駒が入っ
ているのだが。普通唱導集の大将棋の唱導内容が、
史料のようになっている、実は根本原因でもある
と本ブログでは見ている。脱線し、ごちゃごちゃ
書いて恐縮だが盲虎・猛牛・嗔猪・飛龍配列より、
盲虎・飛龍・嗔猪・猛牛配列の方が、横行下の斜
め効きの飛龍の位置に、前後効きの猛牛がシフト
した配列になる為、問題を回避し易いという事が、
同様に有るのである。
 結局、改善熊澤良尊型大将棋は以下のように
初期配列して、1~2段目は平安大将棋の駒の
使い方ルールで、3~5段目は130枚制大将棋
の駒の使い方ルールで遊ぶ、折衷方式を取るとい
うのが基本である。

改善熊倉良尊初期.gif

 なお、奔車は飛車と意味が紛らわしいので反車
に名称変更し、飛龍の「超越」は、「角行と類似
だが、シャンチーやチャンギの塞象眼付の2升目
以上の遠くでしか停止出来ない、斜め走り駒」と、
好ましく無い陣形組み換えを、事前防止する為、
そう変える。
 さて、今回の鎌倉市横小路遺跡悪行付き96升
目型改善熊澤良尊型大将棋は、結局以下の初期
配列になる。

改善熊倉良尊悪行入.gif

 悪行は後退できないだけが違うだけで、横行に
近く守り駒であり、単に入れれば、元々やや守り
の堅すぎる、後鳥羽上皇時代の本ブログが推定し
た94枚制大将棋系列では、益々欠点が目立つ。
そのため、

攻撃優勢になるように、悪行も歩兵と仲人同様、
玉を詰まなくてもトライ勝ちになる駒の類に加え、
トライ勝ち駒種を元々の2種から3種に増やす

という事を、試しにしてみたという訳である。
 そこで、実際に、マイクロソフトのエクセル
シートで、セルの上部をマウスで左クリックして
移動上書きしてゲームを進行させるという、以前
示した、このゲームの遊び方によりチェックした
所、一例では途中経過として次のような局面にな
る事もあった。

改善熊倉良尊悪行入途中.gif

 上記局面では、先手が有利で、L4位置の先手
歩兵がトライを狙っている上に、先手が7六角行
と指して、後手トライ防止の守りの切り札L1
位置の鉄将取りを掛けている。ので逆に言うと、
後手がかなり苦しい局面である。
 しかしながら、更に局面が進んで指し終わりの
段階では、以下のようになる。

改善熊倉良尊悪行入指終.gif

すなわち意外にも後手が、1手差で逆転勝利した。
 この将棋では、玉将詰めよりもトライ勝ちの方
が出現頻度がかなり高くなるという点で日本将棋
の習慣からみて違和感が若干有る。しかしながら、
ゲームの出来としては、94枚制の冒頭述べた、
悪行無しの場合に比べて、攻撃側優勢にバランス
が少し移動した分、ゲームの出来がより改善され
ているとの印象を私は受けた。
 そこで「鎌倉横小路型改善熊澤良尊大将棋」と
でも称して、遊んではどうだろうかと、今回私は
結論したという次第である。(2023/06/29)

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