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神奈川県鎌倉市由比ガ浜墓跡で鎌倉後木奔カワラケ(長さん)

今回は、成書「集成鎌倉の墨書」のスケッチ
図の中に、「木奉宅急」あるいは「木奉令急」
のように書かれたカワラケが載っているとの
旨の紹介である。よく読めば「禾奉令急」と
書かれ、僧侶かもしれない後玄という人物が、
神棚へ収穫物を、急いで奉納したという意味
かもしれないと私見する。
 遺物写真が成書鎌倉考古学研究所2017
年2月出版の「集成鎌倉の墨書」に載ってい
て、鎌倉市教育委員会が西暦1993年3月
に発行した「鎌倉市埋蔵文化財緊急調査報告
書9」(第1分冊)のスケッチ図と同じとい
うことである。奈良文化財研究所発掘報告書
データベース、全国遺跡報告総覧には書誌情
報しか無くpdfファイルは登録されてない。
なお蛇足だが、2023年6月20/21日
の深夜にメインテナンスが有ったか。サイト
がダウンしていて私には確認出来ず、web
上の公開状況は、後に確認した。
 さて遺跡は神奈川県鎌倉市由比ガ浜二丁目
1034番1にあり遺跡の名称は「由比ガ浜
中世集団墓地遺跡」との事である。出土した
のは、西暦1990年前後の事であろうと私
は、全国遺跡報告総覧の書誌から推測する。
 遺物の成立年代は、成書「集成鎌倉の墨書」
の、第40ページの最上段”かわらけ・
白かわらけのスケッチ図”番号第217の下
ラベル表示により、遺物は層序で中世上層に
分類した所で検出された、竪穴建物跡(方形)
第133号で出土したが、13世紀後半から
14世紀前半の、鎌倉期後期の成立であると
考えられているようである。なお同地層で、
文永9年記載の出土物があったとの事である。
 遺物のスケッチ図は繰り返すと前記成書の
第40ページ筆頭にある。発掘担当者は、
明らかに墨書があると見て、全部で内面反時
計回り横倒し4文字、外側に天地逆に後玄と
いう僧侶名かと本ブログの管理人が見た文字
をスケッチしている。

由比ガ浜木奔.gif

 横倒し4文字に着目すると「禾奉宅急」と
か「禾奉令急」をスケッチしたようにも私見
され、「宅急」が鎌倉時代にどのような意味
なのか、私には不明である。が、令急なら
「急々如律令」の意味で、副詞句「瞬く間に」
だろうと解釈出来るように思う。寺の畑で秋
収穫した作物を、神仏習合の由比ガ浜の寺院
で後玄という僧侶が、早々に神棚に奉納した
とカワラケに書き、その作物をその上に乗せ、
鎌倉時代後半西暦1272年前後に、収穫祭
をしたといった状態が、私には目に浮かぶよ
うな気がする。(2023/06/21)

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