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長野県下伊奈深山田遺跡で紀元前数世紀の国墨書(長さん)

目下の所本ブログの管理人は、国の俗字の
一種である、王を口で囲んだ書体は、”岩波
新書2006年発行の『日本の漢字』、
笹原宏之著”で、中国漢代が初出であると聞
いている。
 ところが最近、遺跡の発掘報告書の中に、
王囲み口の墨書のある甕が、中国の戦国時代
にあたる、紀元前数世紀、

長野県付近の縄文時代晩期で成立

と解説するコンテンツが有るのに気がついた。
 web上に公開されておりpdfファイル
で確認出来る。
奈良文化財研究所発掘報告書データベースの、
全国遺跡報告総覧に登録されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
8916_1_深山田・広庭・ヨシガタ・大宿遺跡.pdf
発掘報告書の名称は、以下の通り。
広域営農団地農道建設工事に伴う発掘調査
高森町埋蔵文化財発掘調査報告書第10集
深山田・広庭・ヨシガタ・大宿遺跡
1994年3月、長野県下伊那地方事務所
耕地課・長野県下伊那郡高森町教育委員会。
 上記の報告書の、213ページ、
写図9『深山田遺跡合わせ甕棺の土器』の、
上の段の、左に書いてある甕の部品に、
一部、上部の向かって左側が、囲いのクニ
がまえに重なってはいるものの、

王の字が口で囲ってある

ように私には見える字が、大きな字で墨書さ
れていると見なせる土器が、掲載されている。

深山田国.gif

なお、発掘報告書に、この遺物の墨書につい
ての説明は、特に無い。王の字は、輪郭線だ
け墨で線を引いているように、私には見える。
枠のカマエの口は、普通にベタ四角形なので、
王と一部重なっていても、国の俗字、口で囲
んだ王の字のように、見えると上図より私は
理解する。
 そして、発掘報告書の本文には、この土器
遺物は、長野県付近での縄文時代末期の成立
と主張されているように、私には認識される。
 紀元前数世紀という意味ではないか。とす
れば、中国の王朝の前漢の成立よりも早いと
いう事になり、

王を口で囲んだ国の俗字は、日本で発明され
たという事にも、なりかねない

はずだ。
 甕には縄文が私には見えないので。或いは
発掘報告書の年代推定に、かなりの誤差が有
るのかもしれない。
 以前に、王囲み口と、本来書体の國との、
1世紀前後の弥生時代のハイブリッド文字墨
書を本ブログで指摘したのだが。伝来した字
を正直に真似た例も、港に近くは無い長野県
内でも、どうやら有ったようだ。
 何れにしても、王を口で囲んで国と表現す
るという統一国家思想の宣伝が、金印漢字”
國”の伝来とほぼ同時でかつ、実際の

日本の統一よりはずっと早く、弥生時代には
恐らく、大陸から来ていたのは間違い無い

ようだ。
 以上のように、私はこの遺物を見て、強く
感じるようになって来た。(2021/04/17)

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