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新潟県新発田市砂山中道下遺跡で13升目将棋札(長さん)

以前、ヘンの金の書体が、
天童の将棋駒と全国遺跡出土駒(2003)
で紹介される際、画像変形されている疑いが
あるとの旨、本ブログで指摘した、新潟県
新発田市砂山中道下遺跡の、銀将駒とされる
遺物が有る。web上発掘報告書が公開され、
奈良文化財研究所発掘報告書データベースの、
全国遺跡報告総覧に登録されている。pdf
ファイル名は、
24225_1_野中土手付遺跡砂山中道下遺跡.pdf
であった。
銀将の写真の載った上記発掘報告書の表題は
以下の通りである。
新潟県埋蔵文化財調査報告書第164集
日本海沿岸東北自動車道関係発掘調査報告書17
野中土手付遺跡・砂山中道下遺跡、
2006、新潟県教育委員会・
財団法人新潟県埋蔵文化財調査事業団。
 発掘報告書の、終わりの方に近い
図版102 砂山中道下遺跡木製品(8)に、
遺物番号第262番として、前に話題とした
銀将駒の写真がある。人手が足りないのか、
突っ込まれると、

とんでも無い大発見を内在しているのに、
軽く済ませてしまったままの遺跡

なのかもしれないという旨、当方が個人的に
苦言を述べた覚えがある。
 ところが、その同じページに、遺物番号で
第264番”呪術札”という写真があるので
あるが、これにも

釈文の第1行目に、問題があるのではないか

と疑われたので以下に報告する。
 半ば遊びで、遺物をひっくり返して読むと、
普通唱導集大将棋が13升目で、駒種”龍王”
を含むという、希望的観測での

大発見になる

のだが。実際にはその

可能性は薄い

として。2行ある内の第1行目
は、”天星急々如律令”ではなくて、
”車星三十如口”等の疑いがあり、

”車星三十如口(改行)急々如律令”等と

読むべきかもしれないと、本ブログでは見る。
 取りあえず遺物は以下のようなものである。
 バラバラに2つの破片で出土したが、ほぼ
元の形は貼り付けると、図のようになると言
う事である。

野中土手13香車 (1).gif

成立は銀将と異なり、今度はノイズで無いと
すれば普通唱導集とほぼ同じ時代の、鎌倉時
代末から南北朝時代になる。銀将と番号が近
いので、恐らく近くで見つかったのであろう。
 発掘報告書には、以下の旨の釈文がある。
「天星急々如律令(改行)急々如律令」。
 つまり、1行目と2行目とは繰り返してい
ると言うのだが。私には、

韻を踏んでいる事は間違いないが、同じには
見えない。

第1行目に急の字が有るように見えないし、
律の字が、下に続くというのも、上記の写真
から自明とまでは、言えないと思う。
 1行目の急々とされる字の所は、一例だが、
三十の可能性も、完全には否定できないので
はないか。
 以上までが、今回の真面目な議論である。
 ところでこの遺物は、2行目の”急々”と
される字も、はっきりしないのを利用し、

信用しないで、王+(龍の逆立ち)と読むこ
とにした上で、出土木片本体をひっくり返す

と、以下のようになる。

野中土手13香車 (2).gif


”十三的龍王(改行)的十三香車”

つまり、”大将棋では、13筋に龍王を振る
と、13筋の香車の餌食になってしまう”と
いう、

普通唱導集時代の大将棋をするときの格言に
なる

と言う事である。つまり、
①普通唱導集大将棋は二中歴大将棋と同じく
13×13升目とみられる13筋である。
と言う事と、
②未発掘だが、龍王駒が有る
という意味になる。もしそうならば、

本ブログの探し求めていた遺物そのものだ。

 むろん、これは今の所御遊び釈文であり、
こう読むには

2行目の”律”の行ニンベンが邪魔

である。だが、web上の該遺物の画像を拡
大して良く見れば判るのだが。このケースは、
行ニンベンのノが、2本ではなくて3本有る
ように見える。
 つまり、律ではなくて三なのかもしれない
という事である。仮にそうだと、実は遺物の
字を、逆さにして読んでいた事になり、

普通唱導集大将棋に関する有力遺物に、一躍
格上げになる可能性もゼロと言うまでは、言
い切れなくなってしまう。

ようするに解析担当者が、たまたま手薄だっ
たりして、

有力な情報が、地方の遺跡発掘担当の所で、
眠ってしまっている可能性は本当に無いのか。

 新潟県新発田市の、前世紀末のこの遺跡の
発掘現場のようなケースは、以前に述べた、
天童市将棋資料館の遺跡本編集担当に、突っ
込まれたときの

一例新潟県側の、銀将画像手直しの疑惑

に加えて、呪術木簡の読みの不自然さがある。
だから、そうした問題が内在する典型的な例
の疑いが有るのではないかと、私は更に懸念
を深めた。そこでこの発掘報告書遺跡を、マー
クするように、なってきている。
 なお全国遺跡報告総覧を調べれば、その後
新潟県が、新発田市の遺跡の報告書編集担当
メンバーを拡充した事など、一目瞭然に判る。
(2021/04/20)

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