SSブログ

石川県金沢市戸水C遺跡で平安期歯行墨書土器(長さん)

今回は、1975~82年頃に調査された
表題の遺跡で、墨書土器が複数出土したが、
□行、恐らく「歯行」で、歯の字の囲みの
中が※印の、異字であるように私には見え
る、平安期成立の、比較的珍しい字の墨書
遺物が出土しているとの旨の紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
132178_1_金沢市戸水C遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
金沢市戸水C遺跡、西暦1986年、
石川県立埋蔵文化財センター。
 発掘報告書冒頭例言により、遺跡の場所
は、石川県金沢市戸水町、御供田町。遺物
が出土したのは、発掘報告書第7ページ
付近の記載により、「第6次調査の際であ
り西暦1982年」前後の事のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第145
ページから150ページ付近の記載により、
第25~27号溝で出土した遺物が、概ね
平安期と考えられているように読み取れる。
 遺物の写真は、発掘報告書写真図版第
53:”F区第27号溝状遣構出土土器、
施釉陶器、銅鏡、石銹、管玉”の、下から
2段目の右に有り、遺物番号第36の図3
との旨、ナンバリングされている。発掘
報告書の163ページのスケッチ図より、
土器のようである。スケッチ図では、全体
を「依」と一文字で読んでいる。

戸水C歯行.gif

 上図のように全体で「依」である可能性
は私も在ると思う。が複数文字が書かれて
いて、人べんの縦棒付近と見た部分に小さ
く、「行」が在るようにも私には見え、そ
う見ると、その上に、「邑」とか「歯」の
異字体とか、不明瞭に字があり、

一例「歯行」とも読めるように思える。

依の衣部分は「病亢」のようにも見える。
更に、「病亢」の上に「代」と重なって書
いてあるようでもある。
「歯行病亢(進のための依)代」等と書か
れていて、

歯痛退散の呪い用の薬品を乗せた器の意味

のようにも見える。加賀国衙に関連する
施設で物資が豊富であり、ある程度の医療
処置が可能な場所だった事を示す、貴重な
遺物の出土の可能性も、否定出来ないので
はないかと私は疑っている。(2023/09/03)

nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー