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インドチャトランガの象駒はリアル(長さん)

以前本ブログでは、中央アジア/ウズベキスタン
のダルヴェルジン・テパ遺跡から出土した象の
置物を、「座っているので将棋駒では無い」と
評価した事がある。それよりは時代が下るが、
増川宏一/ものと人間の文化史134-11/
「遊戯Ⅱ」/法政大学出版局に、インド/
カナウジのテラコッタとみられる小型の造形物
に、チャトランガの象駒と(恐らく)疑われて
いるとみられる物品が有り、その写真が、西暦
2020年に開催された、「遊戯史のシンポジ
ウムのポスター」に載っているとして、同成書/
276ページに紹介されているのに、最近気が
ついた。
 以下のような写真の物品のようである。

カナウジシンポポスタ.gif

 鼻が長く、象の模型を横から眺めた写真の
ようでもあり、

足が短い

が、直立している「リアルな造形物」との心象
である。これから、四人制チャトランガの10
世紀頃に於ける、「斜め走りルールの象」は
連想できず、アル・ビルーニのシャトランジの
車動きの、リアルな「縦横走り象」の方が、
的確なようにも、淡いが見える。
 少なくともインドでは、デフォルメされてい
るが比較的写実的形態の象が、象駒のイメージ
として使用されていたという、証拠の一つでは
ないかと私は考える。ダルヴェルジン・テパ遺
跡の象からインド/テラコッタの象への変化は、
象の生体の作り物化という意味では逆方向でし
か無く、これは文化の違いであって前者が後者
の先祖のようには見えないと、前記写真からは
私見する。(2023/09/17)

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