SSブログ

群馬県高崎市新町戸崎遺跡で昭和初盤上遊戯絵小皿(長さん)

今回は群馬県高崎市のカネボウ系工場女子寮
跡から瀬戸美濃染付け小皿に「囲碁」とされ、
2人の人物が、盤上遊戯をしているとみられる
絵が描かれている遺物が、出土しているとの
旨の紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は、以下の通りである。
132332_1_新町戸崎遺跡2.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
高崎市文化財調査報告書第488集
新町戸崎遺跡2、2023、高崎市教育委員会。
 発掘報告書の末尾抄録によると遺跡の場所は、
群馬県高崎市新町2330-40。遺物が出土
したのは西暦2020年前後の事のようである。
なお調査地は、新町紡績所=のちのカネボウ系
工場の明治末から西暦1938年頃迄に建設完
了した「女子寄宿舎」とされているようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第46ページ
の記載により、瀬戸美濃染付け手書き小皿で、
西暦1941年~西暦1946年の昭和/太平
洋戦争末期の頃のものと推定されているように、
読み取れる。
 遺物の写真は、発掘報告書第108ページの
写真図版の上段”遺物廃棄場SU1”の最上段
左から2番目にあり、遺物番号CR類第131
番との旨、ナンバリングされている、近現代の
欠けた皿のように見える。

新町戸崎将棋図.gif

 上図のように、下の方に2人の人物が、盤上
遊戯をしているようであり、上部に字が約6行
書いてあって、第1~第2行の読みは、私には
良く判らないが、3行目から「一局棋事する 
海人」等と読めるように私見する。
 6升目程度の升目が記載され、発掘報告書第
46ページ付近で、囲碁の絵であるとの旨、簡
単に紹介されている。
 皿に描かれた、たまたまの意匠であろうか。
発掘報告書にも、それ以上説明は無い。比較的
珍しい部類の、柄に間違い無いように思われる。
ただ、19路の囲碁盤なのか、9升目の将棋盤
なのかは、描かれた絵の様子からは、

判然とし無いように、私は解釈

する。
 会社より設置された設備の一部では無く、ど
こかの一般家庭からの借り物であり、囲碁や将
棋の文化が、社会で継続していた事を示してい
るという情報以上のものを、残念ながら含んで
い無いように私見する。発掘報告書にも、戦時
中で「一般からの作業員の外部入居が考えられ
る」と取れる記載が有りその通りと私も考える。
遺物廃棄場SU1からは、複数のビール瓶が、
共出土しているようである。(2023/09/28)

nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー