SSブログ

なぜ和将棋の飛鷹成りの勁鷹の勁は鶏辺(長さん)

今回は和将棋の駒名の古文書字について、

たぶん誤字

だが正確には判らないという話題を述べる。
具体的駒名は、表題の例についてである。
 すなわち繰り返すと結論としては恐らく、

和将棋の勁鷹の鶏辺の勁(けい)は、一例
として井原西鶴流の新字を連想させるが、
今の所辞書に無い誤字扱いとみるべき漢字

であるとの結論となる。
 では以下に説明する。我々はこの漢字を、
例えば梅林勲・岡野伸著の”世界の将棋”
で活字で見る事が出来る。和将棋の普通の
将棋で言う角行にあたる位置に、飛鷹駒が
あり、その成りが勁鷹で、今しがた示した、
この漢字を書けば、

諸橋徹次の大漢和辞典の勁の熟語になる。

大漢和辞典によれば、後漢書の馬融伝に、
勁鷹不(レ)立(二)垂枝(一)という諺
があるという事である。孔子が奔車に乗ら
ないのと、いっしょという意味であろうか。
 和将棋のこの駒名は、馬融伝の諺等で、
「勁鷹」の熟語を知っているゲームデザイ
ナーの命名であると、見るのが妥当だろう。
それは、元禄時代の頃だったと見られる。
将棋図式(松浦大六氏所蔵)に、和将棋が
載っているからである。
 実は、徳川家治時代主成立と、ここでは
見る、大橋家の文書の”大局将棋駒”には、
それまでの日本の将棋が取り入れられてお
り、和将棋の駒も多い。が勁鷹は無く、
代わりに雲鷲の成りが勁鷲になっている。
字は、今度は正しい字である。ちなみに字
が置き換わっている事に関しては、web
上の辞書、wikipediaの大局将棋
の説明でも触れられている。同じく、
wikipediaの和将棋の説明では、
勁鷹の勁の漢字が、鶏辺になっている字が
漢字コードに無い為に、画像で埋め込まれ
ている。恐らく

大橋家等の大局将棋のゲームデザイナーは、
和将棋の勁鷹の鶏辺ケイは誤字で有る事を
知っていて直したが、たまたま勁鷹という
熟語の存在を知らなかった

のであろう。鷲より小型の鷹の、その強い
ものではおかしいと感じて、鷲の強いもの
に替えてしまったようだ。ただし、漢字は
正しく知っているので、和将棋と大局将棋
のデザイナーの知的レベルは同等と、一応
見る事が出来よう。
 以上のように大漢和辞典をチェックした
所では、結論できそうである。なお難字・
異字の辞典類にも鶏辺勁は、今の所私には
見つからない無い。井原西鶴の字かどうか
は確認できないが、和将棋の作者の正体の
ヒントにこの字もなる、可能性は有るとみ
られる。(2020/12/09)

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー