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北海道の勝山館から碁石と双六駒は出土か(長さん)

以前述べたように、表題の北海道上ノ国町
の勝山館から、かつて将棋駒が出土したと
いう情報を、今の所本ブログの管理人は
得ていない。また原因については、墨書きで
駒名を区別する将棋のような遊戯は、北海道
ではアイヌ民族が優勢で、日本語として識字
が困難なため、中世・戦国時代から安土桃山
時代には、流行らなかったのであろうとの旨
述べた。では、駒の形が単純な、碁や双六は
行われたのかについて、今回は、奈良文化財
研究所発掘報告書データベースの、
”全国遺跡報告総覧”の勝山館の発掘報告書
で当ってみた。結論から言うと、

囲碁の碁石、双六の駒に関し、出土したとの
記載は有る

ようである。では、説明を続ける。
碁石と双六駒はバラバラであり、次の報告書
にそれぞれ書いてあった。
碁石:史跡 上之国勝山館跡XI
平成十年度発掘調査環境整備事業概報
1990.3 上ノ町教育委員会
12ページの左下隅に記載されている。
成立は恐らく戦国時代~安土桃山時代であり、
共出土物から館の内部だろう。丸い形大きさ
色から碁石であろうと報告されたと見られる。
数は1個だけのようだ。図でスケッチのみ私
は確認した。
pdfファイルは以下の通り。
36919_1_史跡上之国勝山館跡ⅩⅠ.pdf

双六駒:史跡 上之国勝山館跡XX
平成十年度発掘調査環境整備事業概報
1999.3 上ノ町教育委員会
記載は23ページの左の欄の、真ん中へんで
ある。安土桃山時代の頃のものではないかと
思われる。詳しい場所は、私にはよく判らな
い。これも共出土物からみて、館の内部で発
見されたのであろう。スケッチしか私は見て
いない。
 4個有るようであるが、丸い物体で縁取り
があるらしいという以上の特徴は、特に無い。
pdfファイルは以下の通り。
63714_1_史跡上ノ国勝山館跡ⅩⅩ.pdf

 以上の結果から”墨書の有る駒が無い事は
確かだが、丸い物体がある。だから遊戯具は
出土している”と、100%は言えないかも
しれないと個人的には思う。
 なお、これで勝山館内で見つかった碁石と
双六駒の全てという保障は無い。本ブログの
管理人が、ざっと見て目に付いたものだけを、
今回は述べた。
 やはり戦国時代頃の当時の北海道が日本語
の字を盛んに書く環境から、遠かった事こと
によるのだろう。今の所、墨書遺物の発見数
が少ない事に伴い、将棋駒も見当たらないよ
うだとは、依然として一応言えるようである。
なお、”全国遺跡報告総覧”に、勝山館の発
掘報告書は20篇前後、pdfで読める形で、
全国遺跡報告総覧に登録されているようだ。
(2020/12/12)

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