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岐阜県で野内遺跡出土碁盤様破片木片を曲物判定(長さん)

以前に、大坂城で発掘された1センチ弱の、細
かいメッシュの入った木片を、”碁盤の破片”
かと本ブログで述べた事がある。今回は、それ
を否定する発掘報告書を発見したので報告する。
岐阜県高山市の

野内遺跡で2005年前後に、大坂城碁盤破片
様木片と、同じパターンの木片が出土

していて、発掘報告書に、曲物側板だと判定さ
れている。

木目のメッシュが偶然、それと垂直なケビキ線
のメッシュと、だいたい同じになる場合が有る。

では、説明を開始する。
本ブログの見解の間違いを示唆した発掘報告書
の遺跡は、岐阜県高山市上切町の野内遺跡の、
D地区の発掘報告書で西暦2007年に岐阜県
教育文化財団文化財保護センターから発行され
ている。これまでも何度も述べた、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に、発掘報告書は掲載されて
いて、web上で見る事が出来る。pdfファ
イル名は、以下の通りである。
1632_2_野内遺跡D地区.pdf
 そこの後ろの方、図版10の、
”遺物包含層出土の遺物(3)”に、木片が
2個写った写真が掲載されている。

岐阜県野内遺跡D地区碁盤.gif

左側の木片は、縦線のメッシュが細かく縦線に
見えるのは木目で、横線のみケビキ線だと判る
ので、曲げ物だと判定できる。
 しかしながら、右側の木片は、木目のメッシュ
とケビキ線のメッシュが

偶然同じ

で、正方形に近い升目に見えるが、手を入れた
のは片方だけであるとの旨が、別のページの、
スケッチの説明の箇所で指摘されている。写真
ではよく判らないが、目視すれば、色相や引っ
掻きか木筋かで、ケビキ線と、木目は容易に判
定できるからだと、解釈できる。
 この事から、

大坂城の遺物は、実際に目視しないと、縦横
どちらか一方の平行線が、木目であるという疑
いが晴れない

事は明らかだ。残念ながら、

大坂城から碁盤の破片が出土した可能性は低い

ようだ。以上のように、この発掘報告書を見て、
私は思うようになってしまった。(2020/12/29)

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