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北海道千歳市美々遺跡で縄文晩期奔王墨書土器(長さん)

今回は、文字文化を持たないと言われる
北海道千歳市の、北海道の縄文時代晩期
成立の土器に、奉王と墨書されているの
ではないかと疑われる、謎の出土遺物の
紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書デターベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は、以下の通りである。
28542_2_美沢川流域の遺跡群14.pdf
発掘報告書の表題は、以下の通りである。
北埋調報69美沢川流域の遺跡群ⅩⅣ:
美沢3遺跡・美々3遺跡・美々8遺跡、
西暦1990年、財団法人北海道埋蔵文化財センター。
遺物はこのうち、美々3遺跡で出土した
ようである。美沢3遺跡と美々8遺跡は
近接しているが、美々3遺跡は、これら
に対し、西1km程度離れたところにあ
るらしい。美々8遺跡からは近世の遺物
も出土している。千歳空港の、当時建設
中の新しい滑走路の中に有る遺跡だとい
う事らしい。
 遺跡の場所は、第1pdf冒頭の調査
の概要によると、北海道千歳市美々
988-25で、苫小牧市との境近くの
ようである。また、遺物が出土したのは、
西暦1990年前後のようである。
 遺物の成立年代は、美々第3遺跡の、
ピット46から出土したが、北海道の
縄文時代晩期の頃のものと見られるとの
旨が、発掘報告書第1本文pdfの、
第176ページ付近に記載されているよ
うに読み取れる。紀元前の事であろうか。
 遺物の写真が、発掘報告書の第2写真
図版pdfの写真図版Ⅲの第76の、
中央左に在り、多分だがピット46の
遺物だと見られる。ナンバリングが特に
無い、大型の広口瓶のように見える土器
である。

美々奔王.gif

 上図のように、

土器の下部に王と書いてあって、

口の部分の黒い煤の模様が、奉のように
も見える。その他、王の左下に重なって、
もう一つ王が有り、元々の大きな王の字
の少し上にも、擦れて奉の字に見える、
煤のような模様がある。
 口に太い縞が数本と、細かい縦じまが
全面に入り、

北海道晩期の縄文土器だと言われれば、
確かにそう見える

が、北海道にその頃文字文化は無かった
はずである。
 とりあえず、

王が墨書だとしたら、それだけで問題

になるのではないかと認識する。
 目下のところ、第1字目の奉が2字共
に不明確なため、偶然模様としておきた
い。後日たくさん見つかったら、アイヌ
の時代に「奉王」という記号が、後代に
なって意識的に忘却されたと解釈しなけ
れば、ならなくなるかもしれないと思う。
(2022/04/07)

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