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島根県出雲市鹿蔵山遺跡で平安初奔王神墨書土器(長さん)

今回は、ワイングラス型(高杯)土器の首部分
に漢字で奉王神と書かれているように見える
遺物土器が、島根県の出雲大社の付近の識字層
が在住する跡と疑われる遺跡から、出土したと
の旨の紹介である。

出雲大社に祭られた神々を、平安時代初に拝ん
だ跡だとみられる。

 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
2279_2_鹿蔵山遺跡.pdf
 データベース登録時に乱丁し、第3pdfが、
本文の前半のpdf。第2pdfの途中までが、
本文後半。第2pdfの後半から、写真図版
pdf。第1pdfが、後半の写真図版pdf
となっているようである。
 第3本文pdfの扉によると、発掘報告書の
名称は、以下の通りである。
大社町立大社小学校改築事業に伴う発掘調査報告書
鹿蔵山遺跡、2005年1月、島根県大社町教育委員会。
 発掘報告書第3本文pdfの地理・地質的環
境によると遺跡の場所は島根県出雲市(当時:
簸川郡大社町)大字杵築南。発掘報告書冒頭の
例言によると遺物が出土したのは西暦2003
年前後の事のようである。
 遺物の成立年代は発掘報告書第3本文pdf
の第45ページ付近のまとめによると、8世紀
後半から9世紀、平安時代初期の遺跡とみられ、
その時代の遺物のようである。また発掘報告書
第53ページの遺跡の性格によると、出雲大社
と関連のある宮人の滞在施設、維持管理施設の
ように見えるとの事である。
 遺物の写真は発掘報告書第2前半写真図版
pdfの写真図版第30の左上に在り、遺物
番号第41-10との旨、ナンバリングがあり、
高杯に分類されているようである。ワイン
グラス型の土器の、足部分のカケラのように、
私には見える。

鹿蔵山4110奔王神.gif

 上図のように、右下に奉、その上に漢字で
王か三に見える、どちらも極薄い模様が見え、
王か三の下にも、何か暗い模様が在る。画像
処理すると、神と読めるようにも見え、奉王神
と書かれている事になって、大国主命を祀って
いるようにも思える。
 なお発掘報告書では、この遺物に墨書の指摘
は無い。が、他に多数の墨書土器類が共出土し
ている。

発掘報告書の末尾に書かれた推定が、正しく、

 出雲大社が平安時代初には、今と大差なく
機能していた事を示していると私見する。
(202/09/12)

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