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山形県酒田市新青渡遺跡で10C泰山墨書椀土器(長さん)

今回は、表題遺跡で逆さまに「尿」と読まれた
墨書土器が、「奉山」+絵と書かれているので
は、ないかという例である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
6077_1_新青度遺跡第2次発掘調査報告書.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
山形県埋蔵文化財調査報告書第79集
新青渡遺跡第2次発掘調査報告書、
1984年、山形県・山形県教育委員会。
 遺跡の場所は、発掘報告書の第5ページの、
「調査に至る経過」によれば、山形県酒田市
大字新青渡字家際。遺物が出土したのは、西暦
1983年前後の事のようである。古代の柵か
ら、数キロ離れた地点であり、この発掘で、2
桁数の墨書土器が、出土しているようである。
 遺物の成立年代は発掘報告書の第64ページ
付近の記載によれば、第250号井戸跡で話題
とする遺物は出土したが、共出土した遺物の内
容から、平安時代の10世紀のものであろうと
されているように読取れる。
 遺物の写真は、発掘報告書の写真図版第60:
”墨書土器(8)”の第4段目左及び写真図版
第32:”出土遺物(1)SE250井戸跡”
の下から3段目右に、同じものとみられる写真
が在り、遺物番号第11番との旨ナンバリング
されている。杯とされているが、椀のようにも
私には見える。

新青渡遺跡泰山.gif

 上図のように、後光型の2本線が邪魔だが、
それを無視すると、第2次目が、かなり滲んで
いるものの「奉山」と書いてあるように見え、
後光は、朝日の絵のようにも見える。しかしな
がら、杯を伏せると、

発掘報告書によれば、「尿」という字に読める

とされる。
 そこで、複数出土している他の墨書土器を
調べてみると、「祀」と見られる字の書かれた
土器の数が多く、文字通り祭祀用土器の可能性
が高く、その旨の指摘も発掘報告書に有る。
 祭祀用土器で、しかも瓶や甕ではなくて、杯
ないし椀に、「肥料」等の意図で尿の字を書く
のは不自然であり、よって本ブログの今の所の
見解では、

後光付き「奉山」と、口を上にした状態で読む
と見た方が、幾らか自然の疑いが在る

と見る。
 後光が付いているし、泰ではなく奉なので、
10世紀に山形県酒田市で、大局将棋の泰山駒
が成立していたという事は、恐らく無いのであ
ろう。(2022/09/21)

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