SSブログ

富山県小杉町黒河中老田遺跡で奈良期奔王墨書須恵器(長さん)

今回は、表題遺跡で祭祀用の高級器とみら
れる奈良期成立の、須恵器土器に奉王等と、
墨書されている例の紹介である。
土器の生産地であるため、古代の祭祀用の
比較的高級な須恵器土器も、出土する場所
であるという事のようである。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
14193_6_富山県射水郡小杉町黒河尺目遺跡・
黒河中老田遺跡発掘調査報告.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
富山県文化振興財団埋蔵文化財発掘調査報告第25集
黒河尺目遺跡・黒河中老田遺跡発掘調査報告、
西暦2004年、財団法人富山県文化振興財団
埋蔵文化財調査事務所。
 発掘報告書冒頭の例言によると遺跡の場
所は、富山県射水郡小杉町黒河。遺物が出
土したのは西暦2000年前後の事のよう
である。なお黒河尺目遺跡は中老田遺跡の
南に近接し、相互の距離は100~200
m程度で至近のようである。
 遺物の成立年代は、話題とする遺物は、
発掘報告書第2本文pdfの第210ペー
ジ付近の記載によれば第180番土坑より
出土し、8世紀第2四半期の奈良時代と、
みられているように読取れる。遺跡はこの
頃、土器製作集団の粘土採集場に使用され
ていたと、推定されているようである。
 遺物の写真は、前記第6黒河中老田遺跡
の写真図版pdfの写真図版第93の最上
段に在り、遺物番号第176番とナンバリ
ングされている、残念ながら粉々だったよ
うであるが、復元すると椀の形の、形の整っ
た須恵器のようである。

黒河中老田奔王.gif

 上図のように、写真の土器の左上に漢字
で「奉」のように見える煤模様が在り、そ
のやや斜め左下に、王が4つ有って、本ブ
ログの解釈では、

「奉王王(改行)口王王」

と書かれているように、黒い模様が見える。
 祭祀用の、かなり形の整った土器で、現
地は当時、高級土器の生産地だったのでは
ないかと個人的に疑っている。(2022/09/19)

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー