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新潟県糸魚川市小出越遺跡で平安初山奔王墨書土器(長さん)

今回は、新潟県糸魚川市の土器生産工房跡と
みられている、小出越遺跡で平安初に成立し
たと記録の山奉王墨書土師器の紹介である。
 土師器土器の生産現場に祭祀場が在り、

生産した土器に、山の王を祭ったという意味

の墨書きをしたものと推定される。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
23239_1_小出越遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
新潟県埋蔵文化財調査報告書第51集
糸魚川地区発掘調査報告書Ⅴ小出越遺跡、
1988年、新潟県教育委員会。
 発掘報告書冒頭の例言によると遺跡の場所
は、新潟県糸魚川市大字大和川字小出越。
遺物が出土したのは、西暦1985年前後の
事のようである。
 遺物の成立年代は、68ページ付近に、
第6号土坑はC群土坑の系統で、平安期のも
のとの旨、記載がある。また発掘報告書の
まとめの第108ページに、平安時代初の
8世紀末から9世紀末にかけて成立した
土師器の一つで、遺跡自体が土器の生産者
集団の住居跡ではないかととれる旨の記載が
在る。なお6号土坑は、出土遺物全体の形態
から、祭祀跡ではないかとみられるとの事で
ある。
 遺物の写真は、発掘報告書写真図版第31
の上カラム、”6号土坑”の第2段目左に在
り、遺物番号353番との旨、ナンバリング
されている。土師器であるとの説明が在り、
皿かカワラケ型の形の土器の裏側に、いっけ
んは煤が付いているように見える写真という
感じに私には見える。

小出越山泰王.gif

 上図のように、裏面に固まって黒い煤模様
があり、右に縦に2文字”山奉”、その左に、
”E”のような”王”のような模様が在る事
が判る。奉か泰か奔の字の下が無いのと、王
の左側が欠けているのは、側面部の墨が、何
らかの原因で全部脱落したとすれば、一応の
説明が付くように思う。何れにしても。
 山奔王という将棋駒名も無いから、平安初
にいわゆる、日本の将棋類が有った事を示し
て、い無いであろう。生産した土師器に字を
書き、山の王、山の神を祭る祭祀を自分たち
も出来るように、墨書きをしたのではないか
と私は推定する。(2022/09/15)

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