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熊本県菊池市隅府土井ノ外遺跡で14C奔人墨書土器(長さん)

今回は熊本県菊池市の南北朝時代から室町
時代前期、14世紀後半から15世紀前半
にかけての遺跡から摩訶大大将棋/
摩訶大将棋の駒名として有る、奔人に似た、
奉人とも読める、明らかな墨書土器が出土
したとの旨の話題である。
 奔人ではなくて奉人のようであり、

将棋とは直接は繋がらない祭祀用の土器で
あると考える。

 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
15933_1_隈府土井ノ外遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
熊本県文化財調査報告第248集隅府土井ノ外遺跡、
2009年3月、熊本県教育委員会。
 なお題字に”伝菊池館跡”の付記が有る。
 発掘報告書末尾の抄録によると遺跡の場
所は、熊本県菊池市隅府1332-1の
県立菊池高等学校敷地内。遺物が出土した
のは西暦2006年前後の事のようである。
 遺物の成立年代は、共出土した貝類の殻
の炭素14年代測定から、14世紀後半か
ら15世紀前半の南北朝時代から室町時代
初にかけてと、みられているように、発掘
報告書第87ページ付近の、記載から読取
れる。
 遺物の写真は、発掘報告書写真図版第
115:”1区出土遺物”の第2段目右か
ら2番目に在り、スケッチ図第40図の、
上段第2段目の右から2番目の、遺物第
35番と同一物であろうとみられる。なお、
発掘報告書では墨書土器であり、舎人と、
釈文されているように読取れる。

隅府土井ノ外奔人.gif

 上図のように摩訶大大将棋/摩訶大将棋
が成立したと、本ブログが見ている時代に
近い室町前期の、藤原隆家の配下の子孫で
ある(伝)菊池氏館とみられる場所での出
土のため、将棋との関連で注目される。が、
第1字目が”奔”である可能性は、ほぼ無
いように見える。更に私見だが、舎人だと
すると、「八」の部分が、割れて消失した
部分に含まれる為見え無いはずで、

発掘報告書の読みも違う

のではないかと疑う。将棋関連疑惑を漂わ
せる物品であって、古代からの官職名等で
は、無い疑いが有るのではなかろうか。
しかし繰り返すと、

どう見ても、下部は十十であって十廿では
無いので、奔人と読むのも苦しく、

「供物を奉じた神社の氏子」の意味の祭祀
用ではないかとは疑うのだが。何れにして
も、ぱっと見だけであるが、興味をそそら
れる遺物が、学校の敷地内から出土したも
のだと、感心して私は見ている。(2022/10/06)

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