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長野県松本市神戸遺跡で11C泰山墨書土器(長さん)

今回は、山岳地帯長野県松本市の神戸遺跡で、
平安時代後期11C成立とみられる杯土器に、
漢字で奉山と書かれているように見える遺物
の紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
8208_2_松本市内その2神戸遺跡・上二子遺跡・中二子遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
財団法人長野県埋蔵文化財センター発掘調査報告書5
神戸遺跡・上二子遺跡・中二子遺跡、1989年、
日本道路公団名古屋建設局・長野県教育委員会・
財団法人長野県埋蔵文化財センター。
 なお遺物はこのうち、最初の神戸遺跡で出
土したようである。
 発掘報告書末尾の抄録によると、神戸遺跡
の場所は、発掘報告書第1本文pdfの冒頭
第1ページの”遺跡の概観”によると長野県
松本市大字笹賀字神戸。遺物が出土したのは、
第1ページ”調査の概要”によると、西暦
1980年前後のようである。
 遺物の成立年代は、第15号住居跡から出
土し、平安時代の第13期に成立とあるが、
発掘報告書の第73ページによると、第15
期が12世紀であり、それより少し前である
から11世紀であろうと、本ブログの管理人
は解釈することとした。
 遺物の写真は、発掘報告書第2写真図版
pdfの、写真図版(PL)第16の、中段、
SB15出土土器と付記された、左列の上か
ら5段目に在る、杯型の土器の側面である。

神戸遺跡泰山.gif

 上図のように、縦にはっきりしないが漢字
で、奉山と書いて在るように見える。なお、
この遺物について、墨書の指摘は発掘報告書
に無い。が複数の墨書土器が、神戸遺跡のこ
のときの発掘で、見つかっているようである。
 長野県松本市からは穂高岳・槍ヶ岳等、
北アルプス連峰が一望され、古代に祭祀で、
山を奉じる儀式が行われたと考えて、大きな
矛盾は無いと私は考える。(2022/10/05)

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