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岐阜県飛騨市太江遺跡で飛鳥早山泰刻書土器(長さん)

今回は、岐阜の山間部で飛鳥時代早期7世紀
初成立とみられる杯土器の裏側に奉、側面に
山奉とみられる刻書ないし墨書があるように
見える遺物の紹介である。

山岳信仰は古墳時代と古代との間で、入替わ
り等は特に無かったようだ。

 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
1206_1_太江遺跡Ⅱ.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
岐阜県教育文化財団文化財保護センター調査報告書第94集
太江遺跡Ⅱ、2005、財団法人岐阜県教育文化財団。
 発掘報告書末尾の抄録によると遺跡の場所
は、岐阜県飛騨市占川町太江。ここで話題と
する遺物が出土したのは、西暦2003年
前後の事のようである。
 遺物の成立年代は、246号遺構である、
特定の住居跡で出土したが、共出土した
遺物の形から7世紀初の、古墳時代終期~
飛鳥時代早期の境目頃のものとの旨が、発掘
報告書の第124ページ付近に記載されてい
る。遺跡の中で、古代グループの遺構として
は、古い方だという事である。
 遺物の写真は、発掘報告書の写真図版第9
の下から2段目の中央に在り、遺物番号第
60番との旨ナンバリングされている。
杯を伏せたような写真のように、私には見
える。

太江泰山.gif

 上図のように、側面の底の縁に漢字で、
「山」のように見える彫ったような墨のよう
な、その作成方法自体が、明確でない模様が
あり、その下に墨書で少し時計回りに回転
しているように見えるが「奉」のように、
私には見える、はっきりし無い模様が在る。
 だがそれよりも、底面に盛り上げて「奉」
と彫ったような模様が在る点が、更にユニー
クである。
 山岳信仰の祭祀用に見えるが、古墳時代と
古代のちょうど真ん中が成立時期と見られ、
信仰自体は、連続していたにすぎないように
見えるという点でも、貴重な遺品だと私は
思う。(2022/10/11)

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