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鹿児島県指宿市敷領遺跡で古代奔馬墨書土器(長さん)

今回は鹿児島県指宿市の遺跡で、古代成立
とみられる奉馬墨書土器片の紹介であるが、
出土物品は調理器具だった疑いが有る。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
21841_1_平成26年度市内遺跡確認調査報告書敷領遺跡・松尾城跡Ⅲ・その.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
指宿市埋蔵文化財発掘調査報告書第55集
敷領遺跡・松尾城Ⅲ・その他市内遺跡。
西暦2015年、鹿児島県指宿市教育委員会。
 遺物はこのうち、敷領遺跡で出土したと
見られる。
 発掘報告書末尾の抄録によると遺跡の場
所は、鹿児島県指宿市十二町88-2。
遺物が出土したのは西暦2014年前後の
事のようである。
 遺物の成立年代は、発掘された、唯一の
カマドで遺物が発見され、その成立年代は、
発掘報告書の第19ページの記載から、
西暦874年の開聞岳の噴火により崩落し
たカマドであろうとされ、奈良・平安期の
成立と考えられているようである。第20
ページには、カマドは8世紀代の住居用で
あろうとの旨の記載もある。
 遺物の写真は、発掘報告書の写真図版第
4の左上カラムの、カマド・石組炉に伴う
遺物の第2段目左端に在り、遺物番号第4
番との旨、ナンバリングされている。甕の
破片と見られているように、発掘報告書か
らは読取れる出土物品である。

敷領遺跡奔馬.gif

 上図のように中央やや下に、多少反時計
回りに回転しているが、漢字で奉馬とよも
読めるような、煤模様が有る。なお、理由
は良くわからないが、第1字目の奉の字の
下部の「キ」の部分が、かなり濃い。
 馬を周辺で飼育しており、朝廷等に献上
するその馬の、献上時に付帯させる餌入れ
等の容器の、破片のようにも見えるが、
カマド付近から出土した理由は、ミステリ
アスである。(2022/11/03)

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