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長野県佐久市寺添遺跡で古墳期泰山等墨書土器(長さん)

今回は、長野県の古墳期の遺跡から何回か
過去紹介したパターンの「奉山」墨書土器
が出土したが、「飛牛」ではないかと疑わ
れる墨書土器が、類似の時代成立で私には
検知されるとの旨の紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
8607_1_三千束遺跡群寺添遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
佐久市埋蔵文化財調査報告書第44集
三千束遺跡群寺添遺跡、西暦1996年3月、
長野県土地開発公社・佐久市教育委員会。
 発掘報告書末尾の抄録によると遺跡の場
所は長野県佐久市大字三塚字寺添73-9。
遺物が発見されたのは西暦1994年前後
の事のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第95ペー
ジ付近に、出土遺物の形から判断した、竪
穴住居跡の成立年代一覧があり、表題の
泰山実際の読みは奉山遺物が、竪穴住居第
30号で発掘されて6世紀前半とされてい
る。その他竪穴住居第28号が5世紀後半
とされ、今回紹介する遺物は何れも、古墳
時代のものと、考えられているようである。
 遺物の写真は、山岳信仰の祭祀用が連想
される泰山・奉山墨書土器が、写真図版第
41の最下段左に在り、遺物番号は竪穴住
居跡第30号(H30)の、スケッチ図第
77の2番との旨、ナンバリングされてい
る、甕のような形の土器である。

寺添泰山.gif

 上図のように、ほぼ中央に縦に大きく、
「奉山」とも読めるような、黒い模様が在
る。現地長野県佐久市の遺跡での古墳時代
の山岳信仰用の祭祀土器ではないかと疑わ
れる。
 ところで、この写真図版第41の上記の
遺物の右上の、竪穴住居第28号(H28)
のスケッチ図第72番の第6番とナンバリ
ングされた、5世紀後半成立の甕型土器の
破片にも、漢字で「飛牛」とも読めるよう
な模様が見える。

寺添飛牛.gif

 上記のように、こちらは反時計回りに、
少し回転しているが、中央やや右に縦に、
漢字で「飛」の字が有るように見えなくも
無い煤模様が在る。その下に「牛」は上の
部分だけ有り下は切れている。「牛」の字
の右側は、右下の縁の部分にあたり、画像
処理をしたら、pdfファイルの像よりも、
かえって薄くなってしまった。
 何れにしても、

第1字目が「飛」である、古墳時代以前の
墨書は珍しい。

 だが、飛の下側がはっきりせず、飼い牛
の水汲み桶用の甕に、漢字で「牛」と書い
ただけの疑いも有るのかもしれないように
思われる。(2022/11/23)

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