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埼玉県日高市王神遺跡で古代奉川朱書土器(長さん)

今回は、埼玉県日高市の王神遺跡で、奉川と
酸化鉄クリーム色素で彩色されたように見え
る、古代成立の土器が出土しているとの旨の
紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
91780_1_王神.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
日高市埋蔵文化財調査報告書第40集
王神(遺跡)、2019年、
埼玉県日高市教育委員会。
 発掘報告書末尾の抄録によると遺跡の場所
は、埼玉県日高市大字高萩字中王神。遺物が
出土したのは、西暦2000年前後の事のよ
うである。
 遺物の成立年代は、ここで話題とする遺物
は、発掘報告書第5ページ付近の記載によれ
ば、第9号住居址で出土したが、住居址自体
が8世紀半ばから9世紀前半の奈良時代から
平安時代にかけての古代に成立したものであ
ると見られているように、読み取れる。
 遺物の写真は、写真図版第16の最上段左
にあり、第9号住居址の遺物第1番との旨、
ナンバリングされていて、私には杯の側面の
写真のように見える。

王神奉川.gif

 上記のように、黄色い酸化鉄色素のような
クリーム色で、奉川と書かれているように見
える。奔川だとしても、将棋名としては存在
しそうだが、存在しない。このケースは、第
2字目が「本当は山で、下線が消えた」とい
うわけでも無さそうであり、珍しいと私は感
じた。なお画像処理をしたところ、割れ目の
色がおかしくなり、右の方の山の字のような
割れ目が、墨書のように、見えるようになっ
てしまった。奉川の字についても、黄色から
文字通りベンガラ色に画像処理で、変色して
しまっている。元々の発掘報告書でも、でき
れば確認お願いしたい。
 朝鮮半島から古代に帰化人が来訪し、付近
の高麗川を故郷の川に見立てて、祭祀を行っ
た跡であり、色材に関する知識も豊富だった
ので、古代の日本人の墨書土器ではなくて、
黄色の酸化鉄等で、字を書いたのかもしれな
いと私は考える。(2022/01/06)

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