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石川県小松市戸津六字ケ丘古墳跡で福竜墨書土器(長さん)

今回は、将棋の副将と龍王を足したような、
漢字で福竜と書かれているように見える、
10世紀前半成立とされる石川県の古窯跡
から出土した遺物の紹介である。

キリスト教の伝来を示唆する「福音」では
ないかと疑われる。

遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は以下の通りである。
72567_1_戸津六字ヶ丘古窯跡発掘調査概要報告書.pdf
 発掘報告書名は以下の通りである。
戸津六字ヶ丘古窯跡発掘調査概要報告書、
1987年3月、(石川県)小松市教育委員会。
 発掘報告書冒頭の「遺跡の位置と周辺の
遺跡」によると、遺跡の場所は石川県小松
市戸津町・同林町。遺物が出土したのは、
発掘報告書第3ページ付近の「調査の経緯
と経過」によると西暦1985年前後の事
と読取れるようである。
 遺物の成立年代は、遺物はA地区の灰原
で出土したが、発掘報告書第37ページ付
近の記載によると、付近の窯が10世紀前
半の平安中期とみられており、遺物も、
その頃の生産物ないし、廃棄物であると
解釈されているように読取れる。
 遺物の写真は、発掘報告書第Ⅲの下段に
あり、遺物番号土器の第7番と取れる旨、
ナンバリングされていて杯の底面のオモテ
とウラに模様が在るようである。

戸津六字ケ丘福竜.gif

 発掘報告書により、オモテ・ウラともに、
福吉と釈文されているが、両方第2字目が
破損している。ぱっと目には「竜」に見え、

福竜となり、天竺大将棋の副将や日本将棋
の竜王を、多少連想させる。

 そこで、裏表共に像をよく見ると、第2
字目の発掘報告書によれば土のはずの部分
は、確定的とは言えないが、

立の疑いがある

と私見する。また、左側の写真の上から覗
いた杯の底とみられる面の第2字目の発掘
報告書によれば、「口」でなければならな
い部分は、「日」であるように見え、「田」
や竜の下部である可能性は、中央まで見え
ているので少ないようにも見える。よって、
将棋とは、関係が薄いのであろう。
発掘報告書の記載通り吉祥語であろう。
 しかしながら吉祥語として「福吉」は熟
語として、さほど多くは見かけないが「良
い知らせ」という意味での、キリスト教の
用語の、中国語訳と当方は認識する「福音」
は、平安時代の10世紀前半に中国の五代
期には「大秦景教流行中国碑」の存在から
見て、多分だが有ったであろうと疑える。
 よって、

普通に「福音」と両面に書いて吉祥を表し
た疑いが、このケースには有る

ように私見している。日本へのキリスト教
伝来に関する、かなり重要な史料の出土だっ
た可能性もこのケースには、完全には否定
出来無いのではないかと私は疑う。(2023/01/12)

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