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北海道根室市温根沼遺跡で擦文文化期王奔石器(長さん)

今回は、北海道の遺跡で石器と見られる
ものに、明らかに漢字の「王」のような
模様があり、薄い部分まで入れると
「王奉」ではないかとみられる、擦文文化
期の出土遺物の紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
70354_2_根室市温根沼2遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
北埋調報354根室市温根沼2遺跡、
西暦2018年、公益財団法人北海道埋蔵
文化財センター。
 発掘報告書第1本文pdfの末尾の抄録
によると遺跡の場所は、北海道根室市
温根沼271-2。遺物が出土したのは、
西暦2017年前後の事のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書の第1本
文pdfの第272ページ付近の記載によ
ると、遺物は第3住居跡(H-3)で出土
したが、床面にあった炭化物の炭素14同
位体法による年代測定から、11世紀中~
12世紀中の平安時代末とみられているよ
うに読取れる。
 遺物の写真は、第2写真図版pdfの、
写真図版第75の最下段右側に在って、
第Ⅲ層遺構出土の石器(1)と付記され、
写真図版第75の遺物番号第14番との旨
ナンバリングされ、石器のようである。

温根沼王奔石器.gif

 上図のように、破片の中央上に漢字で、
「王」のように見える黒い模様が見え、
その下に薄いが「奉」のようにも見え、
地域の豪族を崇めているような印象を受け
る刻書ないし墨書きが疑われる。
 奔ではなく奉、奔王ではなくて王奉なの
で、将棋には関連し無いとみられるが。
本州以南での平安時代末、根室市の付近に、
少なくとも簡単な漢字なら、書ける住人が
居た疑いが在るのではないかと私見する。
全体としては北海道で、文字を使用する事
は、必要性が低いために少なかったという
事なのではないかと疑う。(2023/01/20)

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