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千葉県八千代市殿内遺跡で奈良期奔王墨書土器(長さん)

今回は、かなり大きい入れ物なのではないか
と見られるが、甕型土器の側面に大きく、
漢字で奉王と墨書されているのではないかと
疑われる遺物の紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は以下の通りである。
71891_1_千葉県八千代市公共事業関連遺跡発掘調査報告書Ⅳ.pdf
 発掘報告書の表題は、以下の通りである。
千葉県八千代市殿内遺跡b地点、2009年、
八千代市教育委員会。
 発掘報告書本文末尾と写真図版の間の抄録
によると遺跡の場所は、千葉県八千代市村上
1170-2。遺物が出土したのは西暦
1991年前後の事のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第104ペー
ジの記載から、住居跡自体の成立が8世紀の
奈良時代頃と読取れる。遺物も、この時代の
ものと見られているように当方は認識する。
 遺物の写真は、写真図版第11の最下段の
右端にあって、住居跡第04号の第32番と
の旨、ナンバリングされている。冒頭で述べ
たように、大型の甕型の土器のように見える。

殿内奔王.gif

 上図のように、右側上段に漢字で「奉」、
左の方にズレて、中央やや右の下の方に漢字
で「王」と読めるような、大きな薄黒模様が
在る。「奉」は下部が曖昧で「泰」かもしれ
ない。中央に有る、やや右肩下がりの「一」
に見える黒い、偶然模様とみられる汚れに、
惑わされない事が、字を認識する、コツとの
意味である。
 甕がかなり大きいとみられる為、元々は、
字が相当に目立ったはずである。湿地帯だっ
たとみられる現地の奈良時代に、大型の魚の
タイを入れて、官衙へ献上するための容器か
もしれないと、充て推量だが私は想像する。
(2023/01/14)

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