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ハンデ型ゲーム(仮称)戊辰戦争将棋(長さん)

これまで、アナログでどのような方向へも走れ、
間に有る途中の駒を、排除円半径1/√2を各
々の他の駒は持つとして、途中の駒として障壁
になるのかどうかを定義した超奔王を入れた、
9×9升目46枚制持駒有日本将棋型ゲームを
紹介した。
 ゲームの出来はそれなりと本ブログの管理人
に自己評価されたが、驢馬・行馬を加え飛車・
角行を奔車・奔石に交換したので、日本将棋と
は遠くなった。ただしそうしないと、強い超奔
王の入った将棋で、攻撃と防御(オフェンス対
ディフェンス)が、釣り合わないというのも事
実であった。
 今回は、ハイデ型将棋として、上手は先手で、
日本将棋と同じ20枚の駒、下手は後手で、
超奔王が、玉将前に初期配列され、その為強く
なった分を、飛車・角行を抜き19枚の駒、つ
まり合計39枚の駒でゲームする、日本将棋に
近い(仮称)戊辰戦争将棋をチェックしてみた
ので、以下に紹介する。
 今説明したように、このゲームの初期配列は
以下の通りで、下が討幕軍の下手、上が幕府軍
の上手である。超奔王というワットの蒸気機関
の物理学的原理である、気体の分子運動での、
分子の衝突計算と近似する計算で、着手の合否
を判断する事に因み、近代兵器と準え、それを
初期配列で持つ側を、討幕軍とし、それを持た
ずに旧来兵器の飛車角で戦う側を江戸幕府軍に
準えた。

維新将棋初期.gif

なお持駒将棋なので、後に幕府側も西洋の学問
を学び、下手から超奔王を仮に奪い取れば、そ
れを使う事は出来るというルールになっている。
 従って、将棋を学ぶ側の下手に、以前述べた、
超奔王の着手の合否判断をする為の、方位角計
算や、2円の共通接線のY切片を求める近代的
大学受験問題的数学力が、序盤から要求される。
 この将棋には本来、下手に有る程度の将棋の
棋力があると、上手には攻撃する隙がほとんど
無く、手も足も出ないという、

近代兵器の前に、幕府側は手も足も出ずに敗退
し続けた

というパターンになるという性質がある。
 すなわち、角道を開けると、左銀先の歩兵は
直ぐに超奔王で下手に取られてしまうので、
上手が居飛車で、飛車の歩兵を上げる着手で指
し始めると、一例以下のようになるとみられる。
以下、上の陣が先手である。
 ▲8四歩△6六歩▲8五歩△7六超奔王
▲5二金右△7五超奔王▲3二銀△7六歩
▲4二王△7七桂(以下の局面図)

維新将棋途中.gif

 上の局面で、上手(上)の飛車に超奔王は、
直射している。-2+√2/√2=-1<0
だからである。上手飛車は、銀将で繋ぎがある
から下手の超奔王で取られない状態であり、
固まって、自陣を固める手しか、さしあたり無
い状態である。すなわちこの局面で、更に

8五位置の上手の歩兵が、質駒になっていて、
上手が下手に抑えられ相当に辛い状況である。

日本将棋の飛車先の歩兵の突き捨てと異なり、
この場合は下手による「只取り」になり、上手
に持駒が、調子良くは得られないのである。
 以降、似たような状況がこの将棋では続き、
下手に有る程度の棋力が有ると、上手はどんど
ん押されて、最後は負かされて行く。まさに、
戊辰戦争のモデルである。

如何に当時、産業革命に裏打ちされた西洋文明
による兵器が歴史を左右させたかが教育できる

という点で、通常の駒落ち将棋と同様の効果と
は別に、歴史教育としての価値も備わっている
のではないかと、私は自己評価する。
 つけ足しだが、盤面上の駒の密度が46枚制
より7枚減って39枚になると、超奔王の着手
の合否判断を、数学で暗算し無ければならない
頻度がやや増す。その点でも面白さは度外視す
れば、今回紹介した戊辰戦争将棋(仮称)に、
数学学習上の効果も、かなり有ると私は思って
いる。(2023/11/12)

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