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戊辰戦争将棋、幕府軍上手の布陣戦略検討その2(長さん)

日本将棋との違いが、後手の下手に飛車角が無く、
アナログでどの角度にも走れる超奔王が初期位置
で、玉将の前升目に有る9×9升目39枚制ハン
デキャップ将棋の、上手の布陣と戦術について、
以前検討し、本ブログで記事とした。
 金銀が2段目に上がるものの、大方の歩兵は、
元の位置のままでかつ、飛車と銀将が、1歩ずつ
前進する程度で、一例では

下手の高い美濃囲いが完成するまで「手待ち」を
するという、上手に先手の意味がほぼ無い指し方

であった。後手から攻める為、先手が最初から
受けに回る一方であり、形勢差を少し緩和するの
が、せいぜいな所であった。
 そこで今回は、先手らしく上手が先攻めになる
ような戦法を検討する事にした。
 以下のように、金二枚と銀を、攻め駒に、
飛車角を守り駒に近い駒として使うという、

あべこべ戦法が、前の低空陣戦法よりも更にマシ

なようだと気がついた。
 以下は、その陣形を先手が組み、6筋の歩兵を
上げて、下手の攻めを誘った局面である。


維新将棋金銀攻.gif

 この後、恐らく一例では、△6五歩▼同6五歩
△同6五桂▼6三銀と進んで、以下の局面になる
とみられる。

維新将棋金銀攻続.gif

 ポイントは、6筋に出来た先手の駒組の隙間を
通って、2枚の金将と1枚の銀将が、繰り出され
て来るという所である。つまり、先手の上手は、
飛車と角行での攻撃は諦め、互いに手を繋ぎ合っ
た3枚の金気の駒で、下手の超奔王に対抗しよう
としているという駒組かつ戦法である。
 結局、下手がやや雑に指すと、一例では下の
指了図のように、下手

討幕軍が旧幕軍の上手に、敗北してしまうケース
が有る

ようだ。

維新将棋金銀攻終.gif

 今のところ、この、本来なら玉を守る役のはず
の(上図の向こう側)「金銀3枚による上手攻め
戦法」が、戊辰戦争将棋の上手、旧幕府軍の戦略
としては、最も成績が良いように私は思う。
 このやり方の原理は、後手に大駒交換の能力が
ほぼ無く、空中戦法が生じないので、玉の守りは
完全にさて置いた、妖怪ヌリ壁金銀戦法が、意外
にも先手に有利という理屈を使っている。
 飛車角同士の交換が、対局中に頻繁という日本
将棋の常識の中に居ては何時までたっても、気が
つくのがほぼ絶望的な手だと、私は思っている。
(2023/11/15)

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