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花営三代記1424年室町お城将棋。なぜ奔王出し勝ちルールか(長さん)

以前、表題の室町時代初期、西暦1424年、足利義量時代の新
大御所、足利義持御前で行われたお城将棋で、奔王を出して勝ち
ルールの意味を、”奔王を敵陣内に突入させ、相手が奔王取りを、
掛けられなければ勝ち”と、本ブログでは解釈したと述べた事が
あった。前後するが、将棋種は、恐らく現代のルールに近い、
多彩な成りも有る、中将棋だったと考えられる。
 なお、そのとき書かなかったが、先行研究として、木村義徳氏
が、持駒使用の謎で”奔王落としと同義”であると述べる、研究
結果を出している。奔王落とし中将棋に、難点があるとは思えな
いので、この考えを完全否定するのは困難である。ただし、

1.これだと、普通の中将棋を11局指しをしているのと同じな
のに”時間が長すぎる”と、足利義持が文句を言わなかった理由
が謎。
2.奔王落としは良いとして、記録は1424年1425年の記
録3回に2回、13局中で少なくとも2局に”奔王を出す”とし
てそれだけであり、”出す”が”落とす”と同義ならば、銅将や、
反車を落とすケースが無いのは、やや不自然。
3.”負けた側に、奔王を出した”と古文書は記載しているが、
これが奔王駒を落す事と、どう結びつくのか、いっけんすると謎。

以上の、問題はあるかもしれない。特に3が大きな問題だろうか。
なお、普通の中将棋だろうと仮定している点では、木村義徳氏の
持駒使用の謎も、本ブログも同じであり、今の所、もっと斬新な
説が有ると言う話は無さそうだ。実は、

本ブログの方が木村説より断然優位とは、本ブログの管理人にも
言えるだけの自信は、実際の所余り無い。

と言うのも、”奔王を敵陣に突入させて、1手保てれば勝ち”と
いう、本ブログの解釈だが、

A.劣勢な方が自陣に隙ができやすいので、奔王は突入して保て
るのかもしれない。が、本来の中将棋の詰みを目指す将棋で、
奔王に、走り駒攻撃力としての、特殊性や、位置による性能差が
特に無い。だから奔王位置が普通の中将棋で、問題になる事が
余り無いにも係わらず、奔王の前出しにこだわって、それを、
対局時間短縮を、主な目的とするのかもしれないが、室町時代に
勝敗(ゲームの終端条件)の基準にしている根拠も、実際の所良
く判らない

という、かなり致命的な、問題があると見られるからである。
中将棋を普通に指すとき”奔王が敵陣に入ると、他の走り駒とは
違い、終局が近い”という話は、中将棋に関して特に無いと思う。
 では、室町幕府のお城将棋で、本ブログの言うのが、仮に正し
いとして、なぜ、龍王成り勝ちでも、龍馬成り勝ちでもなくて、
我々の解釈での奔王出し勝ちルールにしたのかを、今回は論題と
する。
 回答から書く。

普通唱導集大将棋時代に、麒麟が先に敵陣に入って、相手の当た
り駒が無ければ、ほぼ勝ちだったという前例に、形式的に倣った

のである。
 では、以上について以下説明する。
 この理由付けに必要な点は、では何故、”獅子を出して勝つ”
にしなかったのかという事であろう。強い駒から並べて、XX駒
が、一番だったとして”XXを出して、(または成って)勝ち”
というシキタリに従ったとして、獅子が除外された理由が、問題
になる。
 答えは”獅子を高伸びさせても、中将棋では優勢とは限らなかっ
た”からだとみられる。
 このお城将棋には、明らかに元駒の獅子が有る中将棋とみられ
る。中将棋では、獅子は中盤の後半には、相手走り駒を当てられ
やすくなるので、最終局面までチャンスが無い限り出さない。
ので、獅子を出して勝ちのルールに変えても、普通に玉を詰んで
勝ちと、お城将棋で掛かる時間は、ほとんど変わらなかったとみ
られる。

 だから、獅子は除外して、ナンバー2の奔王を選んだのだろう。

 では、それは良いとして、ナンバー2と3位以下で、余り差が
無いのにナンバー2にこだわった理由が、やはり問題になる。
 ポイントは、ゲーム性の観点から、それが正しかったからでは
なくて、その100年前迄指され、その後停滞・衰退した、

普通唱導集の大将棋で、ナンバーワンの成り麒麟の獅子が、敵陣
に突入すると”勝ちを取る”という決まり文句が、15世紀にも
生きていた

という点が、ポイントだったのであろう。恐らく、13升目
108枚制普通唱導集大将棋(本ブログ)では、麒麟が成る(出
された)時点で、慣れてくると指し終えたと、私は見る。ようす
るに、この大会規定ルールは、

お城将棋の時間短縮の要素になりそうな、そのような故事前例が、
実際に、それよりも過去に、有ったからこそ、真似る事ができた
という事

なのではないか。普通唱導集大将棋では、大差勝ちとは、大概、
麒麟が先に、右袖横行の前歩兵位置付近に、入り込む事と同義
だったのであろう。つまり、奔王出して勝ちルールは、

さほど、中将棋ゲームの性質を研究した上で、設定されたルール
ではなくて、古の記憶から、当時のお城で指す棋士には、それな
りに、賛成が得られる、故事にちなむルールであると判断して決
めた、対局時間の単なる短縮ルール

なのではないかと、私は考える。つまり、このルールの存在も又、

本ブログの解釈での、普通唱導集時代の大将棋の駒の初期配列、
駒数等に、矛盾がない事を示す一つの状況証拠なのではないか

と、少なくとも本ブログでは捉えるのである。(2019/01/11)

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通常の中将棋の獅子に関する特別な規則。どんな場合問題か(長さん)

前に、本ブログに於いて、中将棋の獅子に関する特別な規則に
は、特殊なケースに、着手の合否判断がはっきりしなくなる、
との旨を述べた。
 例を示さないと、ルール表記のコンテツン量が多い事に対す
る、単なる言いがかりと、取られないとも限らないため、今回
は、比較的判り易い一例を示してみよう。
 下の写真の局面は、先手▲6四麒麟成△10九角行成(3二)
とした所である。

刃傷沙汰.gif

 つまり終盤で、先手が詰めろを掛けながら、麒麟を成り捨て
ようとしたのに対し、後手が先に王手を掛けたところである。
先手が、間違えて自陣内の、獅子以外の駒を動かしてくれれば、
後手にとってはしめたものだ。
 なお模式図なので不要な駒は、なるだけ省略して示している。
 しかし実際には、そうはならなかった。
先手の方が、獅子が2枚出来て優勢なので、黙って自分の方だ
け正しく指し続ける事だけ考えていれば、鎌倉時代末期ないし、
南北朝時代に於いて、神奈川県鎌倉市御成町にて後手の棋士
(中将棋ゲーマー)に斬られて、先手棋士はこの直後、亡くな
らなかったのかもしれない。
 問題は、この後先手が、▲10九~9十獅子程度で止めてお
いたとしたら、9九位置の先手歩兵では付け喰いは、出来ない
ので何も起こらなかった。実際には、

▲10九~10八獅子と、次の手で後手獅子を付け喰いしたのが、
問題の始まり

だった。後手はこのあと、▲8三成麒麟とされると詰みであり、
詰めろが掛かっていたので、返しで△6四飛車と、先手の
成り麒麟を取ったのである。その局面も、そのまま進んでも、
先手の方がとても優勢だったので、先手はそうなっても更に、
黙って指し続けて居れば、それで良かっただけなのかもしれな
い。
 それなのに先手が中将棋を覚えたてで、知識を、ひけらかし
かったのだろう。”4六の位置に、先手の角行が居るので、

△6四飛車は先獅子違反ではないか”と後手に食って掛かった

のが、いけなかった。後手は、局面の形勢が不利で、気がたっ
ていたのだろう。そのため、

”返しの獅子の討ち取りは付け喰いの直後だから、先獅子規則
が一般に、適用されないという意味

だ”と言い返し、結局このあと、つかみ合いのケンカになった
とみられる。後手の方が位の高い侍だったのだろう。気の毒に、

”無礼者”と言われて、先手の棋士が刀で切られた

ものと考えられる。ようするに、このケース問題なのは、

獅子についての特別な規則のうち
”獅子討ちに関しての先獅子適用除外ルール”について、
どんな要因が、例外とする効果を引き起こしているのかが、
実ははっきりしてはいない

という事である。なおそれから650年程度経った現在でも、
はっきりしているという話を、本ブログの管理人は、余り聞か
ない。繋ぎ駒で取られるのが、先手が普通に解釈したように、
繋ぎ駒だから取っても良いのか。それとも先獅子規則が、後手
の言うように、一時的に適用停止されるので、利いている駒で
取る例が、一例として許されるという意味なのか。さらには
その他にも、取った獅子は別だったとしても、繋ぎ駒の働きを
していた、10四位置の飛車には、先獅子規則が適用されない
利得が、一時的にせよ出るという意味なのか。

そもそも、先獅子の規則で、”獅子の互い取りは、相次いでは
出来ない”となっているのに、”足”とか、”繋ぎ駒”といっ
た、それが出来る事が前提の用語で、獅子に関する特別な規則
の適用条件が、何回も書かれているという、獅子に関する特別
な規則ルールの構成としての無理が、南北朝時代程度の成立
当初からずっと、本質的に存在した

のであろう。
 なお近代の中将棋のルールブックにさえ、こうした点が紛れ
無いように、注記が書かれているものがあると言う話を、少な
くとも私は、余り聞いた事が無いのである。
 恐らく合否判断で、通常の中将棋がモメる局面としては、もっ
と、別にも有ると思うが。今回述べた例が、ルール系の主要な
問題点の本質に迫りやすいという点で、比較的判り易い例
なのではあるまいかと、私は考える。
 以上の事から、鎌倉時代末期または、南北朝時代に、
今小路西御成小学校遺跡ゲームセンターで、気の荒い鎌倉武士
の棋士同士の中将棋で、獅子に関する特別な規則の不完全さか
ら、殺傷事件が起こらないと、絶対には言え無いように、私に
は、やはり思えるのである。(2018/01/10)

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将棋・囲碁。着手空間広さと人間の対ソフト優位性との相関性(長さん)

表題はやや不明確だが、今回は、チェス・将棋・囲碁・オセロ等のボード
ゲームで、着手空間広さと、人間の対ソフト優位性とは相関しないとの旨
書かれた、さいきんの成書を紹介した上で、当否や対策を論じる。
 ここで、対策まで必要なのは、従来

大将棋が、着手空間が広いので、人間の対ソフト優位性が有りと見て、
そもそも本ブログは、大将棋に期待をかけてきた

からである。
 ではいつものように、結論から書くことにしよう。

着手空間より、局面評価値の平坦性の無さが、人間の優位性を保障してき
たと言うのが、最近の定説になった。

そこで、対策としては、
棋士が専門的にプレーする、ゲームの種類を増やすと、人間特有の”近接
ゲームのコツに対する、類推力が大きい”という性質により、ソフトへの
優位性が保たれるはずだという点を、今後は大将棋の普及の根拠にするよ
う、本ブログでは、

戦術路線を修正

する事にした。
 では以下に、以上のようにコンピュータ将棋ソフト制作者内では、定説
になっているようだと、本ブログの管理人が捉えた経過と、対策の結論に
至る道筋について書く。
 この論点が、明確に書かれた最近の成書は、以下の物である。

”人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?”、ダイヤモンド社
山本一成著、2017年

言うまでも無く、愛知学院大学の山本一成氏は、コンピュータ将棋ソフト
のポナンザで、現名人の佐藤天彦氏を、2連敗させた事で著名である。
 この著書の第一章の見出し群の中に、明解に今回の論題の根拠となる、
フレーズが出ている。

局面数が多いから人間に勝つのが難しいわけではない。(044)

 内容を読めば判るが、チェスより将棋のソフトの発達が遅れたのは、
着手空間が広かった為では無くて、
”局面評価値の平坦性の無さが、人間の優位性を保障してきた”為と、
実質書かれている。
 なお、チェス、将棋と続いて、更に囲碁の話が出てくるが、この記事
を書いている時点で、本ブログの管理人は、囲碁のモンテカルロ法の図
を、ちらりと見ただけで、アルファ碁の活躍の話を、まだ読んでない。
 では、複雑さは、人間のソフトに関する優位性に寄与しないかどうか
だが、本ブログの管理人の私見では、

山本一成氏の意見は、囲碁が例外だっただけであり、実質余り正しいと
は言えない、

とみている。
 ゲームのルールをデザイナーが工夫すれば、複雑化との相乗効果で、
やはり人間の方が、ソフトより有利な、ボードゲームになると考える。
 将棋を例にしよう。

走り駒があったとする。そのうちの一部の走り駒の、走りの動きについ
てのそのまた一部を、

A.跳び駒にする。
B.制限のほとんどない、無限升目跳び駒にする。
C.Bの無限性に加えて、途中の相手駒が取れる、踊り駒にする。
D.取れるのではなく、途中の相手の駒は、前後をひっくり返して、
自分駒にできるという、踊りオセロ駒にする。
E.Dで、更に取った駒で、成れるものはその場で、提婆、無明の如く
に、跳ねた自駒とは別に成る。つまり本当に駒の裏返しも出来るとする。

単なる走り駒の、ほんの一部をABCDEと変化させる事により、
局面評価値の先の局面での平坦性は、どんどん失われる。ここで”一部”
とは、具体的には、自陣の奥にあり、中盤後半まで動けない駒を使うと
良い。
 さらに、一般に盤升目二桁以上の将棋では、玉回りにだけ、中終盤駒
打ちが行われてしまうという理由で、持ち駒ルールが棋譜見栄えの上で、
取り込み難いという現実がある。これとて、

F.取った駒は、互いの玉から一定度離れた所、たとえば中間段に有る、
相手の走り駒に対して、駒取りを掛ける時にしか、打て無い

等の、特殊な持ち駒ルールを導入すれば、取り捨ての将棋で無くする事
も可能であろう。これなら、持ち駒ルールの有る将棋でしか、余興では
本職に影響してしまうと、参入に尻込みをしているプロ棋士に、駒数多
数将棋に、興味を持ってもらうことも、技術的に不可能とまでは、言え
なくなるだろう。Fは終盤、中間段に走り駒は消えるだろうから、寄与
無しとしても、少なくとも上の例でDやEの工夫で、終盤の局面評価値
の発散が、適宜作れるだろう。そうすれば、更に駒数が多いという事に
よって、ゲームのヒネリの多重度は増し、本当にこれでも、ソフトが、
人間に対して、現行の優位性を保てるのかどうか、正直私には疑問だ。
 つまり、

ゲームのルールは、しょせん人為的な取り決めにすぎないため、いつ考
えても良いし、内容もどうにでもなる

という事だ。

だから、私は内心は、山本一成氏の2017年の論に賛成できない。

 繰り返すが、囲碁のソフトの成功は今の所、”たった一つの例外”で
しか、ひょっとして無いのではないか。だから、更にもう1つか2つ、
事例が出てきてから、山本一成論の味方をしても、

本ブログのように、人間が勝つことこそ善だ

と、古典的に見ているブログでは、遅くは無いような気もする。
 そうは言っても、しょせん、学生時代に何をしてきたのかも判らぬ、

得体の知れない本ブログの管理人だけが、今や英雄の山本一成テーゼに
反対してみたところで、ゲーム学会では、しょせん圧倒的少数派

なのであろう。本人は”流星群でも、惑星の引力が、より長期間加わり、
より軌道変化を起こした後でも見えている、老いて健在な流星群の方が、
流星のテスト粒子が多く必要である。だから計算が煩雑なため、
しぶんぎ座流星群等の方が、より若い時代にだけ見えるだけの、構造の
単純な、ジャコビニ流星群などに比べて、現実として相対的に予想精度
が悪く、難易度が高い。以上のコンピュータ天文計算ソフトの、
20世紀終盤での、

天体力学手計算家に対する、AIの勝利

を思い出しながら、この文を書いてはいるのではあるが。しかし、そん
な話が、通るはずも無いという事だろう。なお西暦2019年のEUの
しぶんぎ座流星群の1月4日明け方の出現は、2014年の日本よりも
わずかに少ない程度。バーストしたとまでは、行かなかった。従って、
2019年と2018年とで、本当に極大時の流星の出方が、しぶんぎ
座流星群では、地球規模で違い、日本に極大時刻の良条件が回ってきた
とき、出方が渋いという点が、確認されたに留まった。ともあれ。
 そこで将棋の話に戻すと、対策の結論に書いたように、今後は、棋士
が専門的にプレーする、ゲームの種類を増やすと、人間特有の”近接ゲー
ムのコツに対する、類推力の大きさが大きい事”により、対ソフトの
優位性が保たれるはずだという点を、普通唱導集大将棋(2017年盤・
方行入り・本ブログ改良)の普及の根拠にするよう、本ブログでは、
戦術路線を修正する事にしたのである。
 というのも、本ブログでは、もともと平安大将棋が大将棋になったの
は、西暦1140年頃。発生はそれより約30年前の、西暦1110年
頃であるとみており、とうしょは、

9升目タイプの標準平安小将棋を、第一標準日本宮廷将棋とする、
いわば、13升目の第ニ標準将棋の位置づけであった

と見ているからである。つまり、複雑化を元々意図したものではなくて、
たまたま標準が、日本では複数元々存在したという、歴史認識の立場だ。
 そこで、ここでのその歴史の推定に基づき、広く第ニ標準としての、
普通唱導集大将棋(本ブログ推定かつ更に、微修正)を、推薦する事に
したわけだ。

今までとの違いは、現行の日本将棋を否定する要素が、完全に消えた

という点である。
 更に直近には、歴史的には中将棋だけでなくて、獅子に関する特別な
規則の無い、

12升目の狛犬型中将棋も、本ブログでは、指された将棋として話題

にするようになった。
 コンピュータは、これから定跡を形成するようなゲームでは、現実、
力を発揮しないように見える。他のゲームから、今回の対局で始めて、
そのアイディアを持ってくるという事が、頻繁に起こるゲームは、
さぞや人間に比べて苦手だろう。よって、ゲームが複雑だから、ソフト
が弱そうだと主張するのではなくて、ソフトに、してやられて、がっか
りしている、プロ棋士や元プロ棋士に推薦紹介する、駒数多数将棋の
利点は、

それが途方も無い過去、実際に指されたが、誰も定跡を覚えている者が
おらず、着手のコツはこれから再度考えて、ゆかねばなら無い

という点だと言う、主張になるという事になる。(2019/01/09)

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将棋史研究家で、旧遊戯史学会会長の増川宏一氏に問い合わせた(長さん)

大局将棋については、現在日本将棋連盟の関西本部に有った
はずの、将棋大橋家文書が、web上で行方不明と出ており、
大橋家文書に造詣の深かった、前の遊戯史学会会長で、将棋
史研究家として名高い、増川宏一氏に、

大局将棋の大橋家文書ルール図に関して、

鳩槃(大局将棋)のルールに関する問い合わせを、さいきん
行った。
以下、要旨である。

増川宏一様

御研究を一段落されるに当たり、つきましては大局将棋の大
橋文書に関しまして、接された方が少なく、困っております
ので御問い合わせを致しました。
 大局将棋の北狄の成り駒等で、鳩槃(大局将棋の)が有り
ます。駒の動かし方のルールは、縦横2升、斜めは走りに加
えて、3升先に跳んでから5升先まで走りと、webに出て
います。が大橋家文書では、初期配列に点線表記だけの為、
このような複雑なルールは、正しく表示できないと思います。

 別途説明覧が、初期配列図の他に有るのでしょうか。

 大局将棋の大橋家文書の構成について、御手数ですが御知
らせ下さい。大局将棋の東西南北駒の成りが、大大将棋駒で
統一されている理由を、チェックしています。
               日本中世将棋史 長

上記問い合わせの意味は、南蛮の成りが、大局将棋の3駒跳
び越えを斜め前動きに含む、”強い”金翅になっており、
鳩槃のルールは、跳んでから走りも正当に見えるため、

どうやって、世界の将棋が、情報元と見られる大橋家文書内
で、ルール表現を解読しているのかを、チェックする必要

があるためである。なお、北狄の鳩槃成りの謎については、
だいぶん前に、本ブログでは指摘した。
 webが正しいようにするため、有る程度の手当てが有る
というのが自然であり、web上の写真に、右鳩槃に小さく
注釈が、書かれているようにも、見えたような気がする。
そうなっているとすれば、中将棋で、
堅行の成りが飛牛という牛駒、横行の成りが奔猪という猪駒
である事から、普通唱導集大将棋の構成十二支駒で成りを統
一しているのを、大局将棋のゲーム・デザイナーが、パター
ンとして真似たと、確実に考えられるのである。(2019/01/08)

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今小路西御成小学校遺跡ゲーセン中将棋。狛犬が発生の元将棋種(長さん)

今小路西御成小学校遺跡ゲームセンターで、指されたとみられる
獅子に関する特別な規則と、元駒の獅子が無く、狛犬に置き換わっ
た中将棋には、今小路西鎌倉市社会福祉センター遺跡中将棋木札
に有るように、狛犬、猛豹が有って、盲虎が今の中将棋と同じ、
七方向歩みである事、それだけが、はっきりと記載されていた。
 では、この中将棋に有って、オリジナルの中将棋、後期大将棋、
普通唱導集大将棋、平安大将棋には無く、大大将棋や摩訶大将棋、
摩訶大大将棋に有る狛犬は、今小路西御成小学校遺跡ゲームセン
ターで中将棋として使われる以前には、どんな古い時代の駒数多
数将棋で、使われた狛犬のコピーだったと言うのだろうか。
 以上を、今回の論題とする。回答を最初に書く。
 狛犬駒は、

今小路西御成小学校遺跡ゲームセンターで狛犬中将棋として使わ
れたのが、始めての使用だった

と本ブログでは見る。根拠も最初に、とっとと書いてしまおう。

猛豹も中将棋で始めて現われたのであり、盲虎も中将棋で始めて、
猛虎の斜め四方向歩みの動きから、前にだけ前進できない七方向
歩みになった。つまり、ルールのユニークな部分だけ、今小路西
鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札に記載したと解釈して、話が
ぴたりと収まる

からである。
 では、以下に補足しよう。
 結局の所、以上の結論は、普通唱導集大将棋に無くて、狛犬型
中将棋には有る、ユニークな駒とルールが何なのかと問うと、
狛犬が有る事、猛豹が有る事、猛虎が盲虎に代わっている事の
3つだけだと言う事である。
 つまり、普通唱導集大将棋から中将棋になる時、消えた駒は、
飛龍、嗔猪、猛牛、鉄将、桂馬、2枚の歩兵の22枚減だったが、
逆に、通常は、獅子と、獅子に関する特別な規則、猛豹が入り、
6枚増えて、108枚制から92枚制の16枚減となり、猛虎が、
盲虎に変わったので、

今小路西鎌倉市福祉センター遺跡出土の木札と、ぴたりと話が合っ
ている

のだ。
 なお、普通は、獅子と、獅子に関する特別な規則が入ったが、
今小路西御成小学校遺跡ゲームセンター中将棋では、これらが、
狛犬に置き換わって、今小路西鎌倉市福祉センター遺跡の木札に
書いてあるように、

”狛犬、猛豹。盲虎は近くへ行くが、上は行けぬ。”

と書けば、それでゲームの内容は、言い尽くされたという訳だ。
 ちなみに狛犬の中将棋よりも前に、獅子の中将棋が有った事は、
今小路西御成小学校遺跡ゲームセンターの、鎌倉時代末期か
または、南北朝時代の、遊戯場(博打場)の管理人が、木札に、

狛犬の所を、”しろいぬ”と書いてくれたおかげで、確定した。

”獅子を当時、師子と書いた”という経緯があったからこそ、遊
戯場の客は、狛犬を、犬へんを抜いて白犬(はっけん)とか、
”しろいぬ”とか仲間言葉で言い換えた方が通じるようになった
とみられる事が判り、その事から、

普通の獅子の中将棋が、先行して存在している事がはっきり判る

のである。なお、その前の普通唱導集大将棋(本ブログ仮説、
13×13升目、108枚制)にも、麒麟の成りで獅子が師子と
して有ったと見られる。が、(袖右飛車を退けられて)麒麟を成
り込まれると、成った瞬間に”勝ちを取(られ)る”。だから、
中将棋よりも前の時代に獅子や師子が、プレーヤーの間で対局中、
話題になる事は少なかっただろう。よって、白犬の訓読みという、
狛犬の洒落言葉は、鎌倉時代の末より以前には、無かったと、
ここでは見る。
 以上の経緯から、

残りの猛豹と、この場合狛犬は、狛犬型中将棋を完成させるため
に、主にこの将棋を指すために作られた

と、これについても確定する。狛犬は、どこか別の将棋が先行し
て有って、獅子とペアーで入っていたところから、持ってきたの
ではなくて、獅子と狛犬という言葉の対と、獅子に似たパターン
のルールを考えるという動機付けによって、獅子の中将棋の難点
を克服するために、そのときになって始めて、新たに考え出され
た駒だったに違いない。
つまり、

狛犬は、良くさされる駒数多数将棋としては、少なくとも鎌倉で
は指された、狛犬型中将棋で、猛豹と共に始めて現われた駒

だったと、本ブログでは推定する。
 従って歴史的に見て、

駒数多数将棋で指されたものは、平安大将棋、普通唱導集大将棋、
獅子および狛犬型の中将棋、この3種だけだった。

以上のように推定され、残りの駒数多数将棋は、将棋ゲームとし
て指して楽しむためと言うよりは、文化の一部として存在すると
いう、意味合いが強かったと、ほぼ結論されると考える。以上の
大将棋系の将棋種の実体が、平成の時代が変わる頃になった今、
進化の順序の確定と共に、いよいよ、はっきりと見えてきたとい
う事に、なるという事だろう。
 この今小路西鎌倉市福祉センター遺跡の中将棋木札の出土は、
将棋前史(将棋進化史)にとって大きかった。早く紛失してしま
った現物が、鎌倉市役所に戻るよう祈りたいものだ。(2019/01/07)

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現行の駒数多数将棋の起源。数世紀インド起源で無い事が判る訳(長さん)

本ブログに於いて、いわゆる19×19の駒数多数将棋の最初
の発明者は、中国の晁無咎(晁補之)という事になっている。
囲碁から着想したと見られ、外国、たとえばインドから中国へ
の輸入品では無いという事である。
 中国の晁無咎の広将棋は、記録が残って居無いが、同時期に
大将棋が別に中国に有ったらしく、同名の日本の二中歴大将棋
が、玉・金・銀・銅・鉄という構成である事から見て、

中国の晁無咎(晁補之)の19路広将棋も、陰陽五行説に則っ
たもの

と、異制庭訓往来の示唆からも推定される。
 現在の将棋史界では、極東の駒数多数将棋が、陰陽五行説に
準拠したものであるという考えが、少なくとも将棋史の専門家
の間では強い。遊戯史全体では、将棋史がマイナーなので、強
く主張すると、トンチンカンな質問も来る事が有るようだ。
 文献を探している研究者も居るようなので、水無瀬兼成の、
将棋纂図部類抄の、出だしを読むように薦めておく。だから、
実際本ブログでも、この考えに賛成の立場であり、以下、

極東の駒数多数将棋は、陰陽五行説に準拠したものである

と仮定する。
 では三十六禽が、数が36個(柱)であるという点で、
ナイル川流域のエジプト文明起源であるという如くに、
別の古代の四大文明地域等から、陰陽五行説に準拠した極東の
駒数多数将棋は、中国に原初輸入される可能性は、有るのか無
いのかを、今回は論題とする。結論から書く。

無いと見られる。何故なら陰陽五行説は、中国起源だから

である。では、以下に説明を加える。
 すなわち、

四大文明で中国の隣組である、インダス文明のインドには、
陰陽道や、五行説は無い。

 この点については、現代の成書は結構稀少と、本ブログでは
認識する。例えば、次の文献がある。

「科学史」、木村陽ニ郎編、東洋大学(当時)大綱功執筆、
㈱有信堂高文社、西暦1971年、第13章インドの科学。

それによるとインドの原子論は、地、水、火、風の四大元素説

だ。5行では無い。そのため、インドで駒数多数将棋が生ま
れ、北宋王朝時代に中国に輸入されて、晁無咎が広将棋序を記
したとすると、

平安大将棋の将駒は、地将、水将、火将、風将に対応する、
4将7枚制の将棋になっていた可能性が高い

と、私は思う。だから、インドで原初に発明されたチャトラン
ガは、駒の総数や升目の数について、チェスや小将棋に近いも
ので、駒数多数のゲームは小から大への進化であると私は思う。
だから、

事実上、大将棋は中国発のアイディアを、日本で更に発展させ
たもの

と、結論できると私は考えている。すなわち、

 インドに10世紀以前に、駒数多数将棋が有るという説に、
客観的根拠が乏しいのはもちろんの事、現在の中国で発生した
陰陽道と、駒数多数将棋との深い結びつきから考えても、その
可能性を示す兆候は、かなり乏しい

のではないか。
 つまり、いわゆる特許法で言う、オリジナリティという概念
を、無理やり適用すると、”二桁升目を使う事を、特徴とする
チェス・象棋様ゲーム”という

この国際特許の主な独立請求項の発明者は、北宋時代の中国人

だと言う事にやはり、なるのだろう。
 なお、陰陽道がインド起源ではなくて、中国がオリジナルで
ある事は、以前、本ブログで三十六禽を紹介した、南方熊楠の
”四神と十二獣について”という著作の中で、”八木”という
苗字の思想史研究者を、南方熊楠が批判して、”陰陽道の概念
が、インド起源であるという説は、間違いだ”と論じていた。
 今では、史学も更に進んだので、南方熊楠の著作集よりも、
詳しい陰陽道のインド起源説否定情報が、成書を探すと上記の
ように出てくるという状況だと、私は認識している。
・・・・・・☆・・・・・・・☆・・・・・・・☆・・・・・
 なお、本日西暦2019年1月6日に、日本時間で9時頃か
ら、10時頃が東京の最大の欠けで、部分日食があるとの事だ。
今年は、地球が赤道の膨らんだ西洋梨型のため、月の軌道の黄
道面との交点の黄経が、永年後退するため、食年が太陽年より
短いのが原因で、18年強の周期で”食の季節が、年初、年中央、
年末と、3回ある珍しい年だ。
 外は晴れているようなので、日食サングラスで、欠けた太陽
を見てみようかと思う。
(追記)関東、10時JST。日食良く見えてます。(2019/01/06)

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狛犬中将棋はなぜ、先狛犬の規則が問題にならないのか(長さん)

前に述べたように、獅子中将棋とは異なり狛犬の中将棋では、
先狛犬の規則を作ったとしても、使われる局面がほぼ表れな
いと考えられる。
 以下に実例として、狛犬中将棋の仕掛局面の例を示す。

01_05_1.gif

 蛇足だが今回の狛犬中将棋では、
1.元の駒で獅子に当たる駒を、狛犬に変えただけで、残り
の駒は同じ。
2.成りも獅子の中将棋と同じ
である場合を示す。
 以下に、序盤から中盤への変わり目となる、狛犬中将棋の
局面の一例を示す。
 獅子の中将棋と、大きく異なる点は、

狛犬は居喰いは出来ないとするので、前出しする意味が無く、
仕掛局面で、最上段に出て居無い

事である。つまり居喰いできないと、無理に相手駒を取ろう
として高跳びすれば、相手駒の餌食になるから、そのような
手を指す準備をしないのである。
 また、良く見ると、歩兵列の駒が、狛犬に居喰いされる心
配がほぼ無いので、獅子の中将棋のように、横一線に最前列
の兵駒を並べるような指し方を、する必要も無い。
 以上の2つの理由で、先狛犬の規則が適用されるような、
相手走り駒に、狛犬が当てられる事が、ほぼ無いと考えられ
るのである。なお、歩兵を横一線に並べると、狛犬は進むか
後退するしかなく、横に跳んで逃げにくくなるので、相手の
攻め駒に、取られやすくなる。むろん、獅子の2升目跳びに
比べて、狛犬は3升目跳びと、跳ぶ距離が長いので、逃げ足
自体も速い。以上3つの理由で、獅子の中将棋のように、狛
犬の中将棋は、先狛犬の規則を作っても、面白みがほとんど
変わらないと見られる。
 なお以下も蛇足だが、狛犬中将棋の玉囲いは、獅子中将棋
のように、玉の逃げ道を、全く塞いではいけない。なぜなら、
狛犬は獅子よりも1升目、射程距離が長いので、終盤、玉将
をギッチリ囲って、動けなくすると、生き埋め詰めの、トン
死筋が発生するからだ。
 写真のように、先手陣で金将、後手陣で麒麟が、予め動い
て玉の周りに、空き升目を作っているのはそのためである。
 なお、写真の例では、この局面までに▲6七龍馬と狛犬取
りを掛け、それを後手が△7六龍馬と防いだ所である。斜め
走り駒同士が、日本将棋と同じく、獅子の中将棋とは異なり、
狛犬中将棋では、たいてい最初にぶつかり合うケースが多い
のだろう。なお、先手は次の手で、▲1九横行(1十)と、
端筋を固めてくると見られる。(2019/01/05)

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4日午後ヨーロッパで”しぶんぎ群(りゅう座イオタ群)がバーストか(長さん)

本ブログは、将棋史のブログですが、以下は現代天文学(占いではない)
に関する情報です。

たんなる私の山勘ですが。

しぶんぎ群の流星の明るさが、いつもより明るいものが多いです。日本
の本日午後3時頃、冬晴れの稀なヨーロッパで、たまたま晴れた所では、
東から西に向かって、流れ星がたくさん見えるかもしれません。
 日本はひるすぎですので、通信用の流星散乱電波で、調べるしかあり
ません。ラジオが怪しいし、アンテナが繋がるかどうか謎ですが、関東
から88.1MHzのエフエム大坂を、一応ねらってみようと思います。
 このブログで、流星の話をたまに書いても、見てくれる方が少ないの
が、残念ですが。流星でも著名な、中村卓司先生らと共に、

Muレーダーでかつて、高層気象の御研究をされた、摩訶大将棋のブロ
グの高見友幸さんが、研究から足を洗われて久しいのが特に残念です。

Muレーダー自体も、46.5MHzでの常時運用、最近はして居無い
でしょうし、So-netで著名な、S□NYの広周波数FM受信機も、
壊れて久しいし、個人的には、私にはなんともしがたい状態です。

2019/01/04 長さん/Qua obs.

 ☆2019年の四分儀(しぶんぎ)座流星群(1月4日明け方日本)

自宅で観測しました。(埼玉県)
 DATE 2019.Ⅰ.03/04
 TIME04d04h35m~05h05m(30分)
 観測総数3個 OBラムカ内 1個 判定×
 
 少ないですが、EU注意。
 メモ:1恒星年=365.25636日
 定義:”OBラムカ内”。輻射点の方に短軸を向け天頂を
  中心に73°×60°の方形視野に、発光点の入った
  おおぐま座α星より明るい群流星を数える。ただし正式
  には、多重計数で、全数漏れ無く計数するのが、建前。
        四分儀群 最近の出方
......2019..|.....×
......2018..|..........×~△
......2017..|.....................×
......2016..|
......2015..|
......2014..|.............△~◎
......2013..|.....................△>P(電波)
......2012..|
......2011..|
......2010..|...............×
......2009..|.......................×
......2008..|×
......2007..|......×~△
......2006..|..............△~◎
......2005..|..................×->×
......2004..|△
......2003..|.........△
......2002..|.................△
......2001..|..................×->P
......2000..|..×
......1999..|..........△
......1998..|...............×~△
......1997..|....................◎->×
......1996..|..△..............................×
......1995..|........×~△
......1994..|..................◎...
......1993..|....................×->×
......1992..|...△
......1991..|...........△
......1990..|...................◎
......1989..|.....................◎->×
......1988..|
......1987..|............◎
......1986..|....................◎
......1985..|......................×->P
......1984..|....×..............................×
......1983..|............×
......1982..|.....................◎
......1981..|.......................×->×
......1980..|.....△
......1979..|...........△~◎
......1978..|.....................◎
......1977..|........................◎->×
......1976..|
......1975..|..............◎
......1974..|......................◎
......1973..|........................△->P(薮保男氏)
................└──────────────────────
日本での日付け1月
....................4......4......4......4......5
太陽黄経
.....(1950)272.2....45.....7.....95..273.2
記号:◎:概ね10個以上。旧ZHR60以上 △:数個程度。旧ZHR約50
×:1~2個。旧ZHR約20 P:木星Pの5/11スワームピークあり。
      (旧ZHRの方が、今のより1/2程度で小さいです。)

上の図で、プロットが四年ごとのパターンなのは、1恒星年が、
365.25・・日の”.25"のため。左に流れているのは小数第三桁目から、
・・636・・・日になっている、636・・のためです。なお2000年は、
グレゴリオ暦はうるう年。1998年から、木星の引力が、日本で見える
はずの流星物質を、予め”掃除(はきちらす)”してくれており、西暦を4で
割り2余り年(グラフの真ん中の、"4"の、x値の列のところの観測結果)が、

母天体であると本ブログでも見る、2003EH1の回帰した西暦2014年

を除いて少なくなりました。それまでは、西暦を4で割り2余れば、
しぶんぎ群の大出現は、第二次世界大戦からあとは、指定席でした。
これは、しぶんぎ(四分儀)流星群の出現本体の流星が、木星公転周期の
4/9スワーム(swarm。一時的な、塵の吹き溜まりの事。村山定男氏より、
昔私は、この言葉の使い方を聞いた。)を構成して居る事によるものです。
 ただし、西暦を4で割り3余る年にも、過去日本で活発だった例外があり
西暦1975年と1987年の、日本での、少なくともJST0~4時過ぎ間
のバーストは、2003EH1から放出したての流星によるものです。なお、
木星による長周期摂動により、流星群全体の交差点の黄経が、
”いじわるく”後退し、西暦を4で割り1余る年には、40年置いても日本で、
見えるようになって、くれ無くしています。本ブログの執筆のおかげで、
以上のように、文で算数の説明をするのに慣れました。
 では、専門サイトで結果を聞く前に、流れ星、ヨーロッパでたくさん
飛んだかどうか知りたい人は、EUの知人にでも、急いで電話でもして
ください。(2019/01/04の2。EU夜中の0時頃)

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先獅子の規則が、獅子型の中将棋を面白くしている一例(長さん)

 今回は、前に約束した、先獅子の規則が、獅子型の中将棋
を面白くしている一例を、挙げてみる。中将棋に堪能な方に
は、”今更ながら”で、余り面白く無いかもしれないが。
以下の写真の局面図は、中将棋に於いて中盤の斬り合いが始
まった頃ので、後手の△3ニ角行の獅子取りに対し、
▲6七歩兵と受けた所である。

01_04_1.gif

この局面で、もし先獅子の規則が無ければ、

後手は△6七同→6六獅子と、居喰いしたい所である。

 なぜなら、その後▲同6六奔王に、△7八角行が、禁手で
無くて出来たとすれば、以下▲6五奔王、△5十角行成り、
▲3四奔王、△6十一龍馬となって、先手玉に王手が掛かる
次の局面になるはずだからだ。

01_04_2.gif

すると、▲同6十一盲虎、△4三龍王となるだろう。この
局面で、今回の斬り合いによる駒の損得差は僅かだが、
先手陣に出来た傷の深さの方が、後手陣のそれより明らかに
深い。その為、このように進めたとしたら、後手にとっては、
味の良い結果になった、はずだったからだ。
 しかし、元に戻って▲同6六奔王には、禁手のため、
△7八角行とは出来ない。
 そこでやむなく、△3ニ角行、▲6七歩兵に対して居喰い
せずに、△6七同→7六獅子と、第1歩で歩兵を取るとする。
すると、▲5七獅子と、伸び出た後手仲人に付けられたとき、
単純に▲4五仲人と引けば、何事も無かったのだが、慌てて
△9ニ銅将と引く悪手を指したとすると、▲4六獅子と、以
下の写真のように、仲人を取られてしまった。

01_04_3.gif

後手にとって、すこぶる面白く無い結果だったが、正しく仲
人を引いていたとしても、手損感が残ったろう。このように、

先獅子の規則が有るのと、無いのとでは少なくとも多少違う

事が判る。先手の▲6七歩兵は、一見うさん臭いが、9三の
位置の、後手銅将の位置がマズくて、この場合は、悪手
にはならなかった。後手は、できればそれを、予め予測する
必要があった。こうした獅子に関する特別な規則の作用、
特に先獅子の規則の存在の面白さが、獅子型中将棋を、長い
年月の間に、生き残らせ、他のバージョンを淘汰させたとも
考えられる。
 つまり獅子の動きが、狛犬に比べて、よたよたしていたの
で、かえって良かったと、言う事である。(2019/01/04)

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現中将棋は鎌倉市の今小路西御成小学校遺跡中将棋より性能上か(長さん)

前に述べたように、獅子を狛犬に変えた点を最大の特徴とすると
見られる、今小路西鎌倉市福祉センター遺跡出土木札の中将棋
すなわち、今小路西御成小学校遺跡ゲームセンター中将棋は、
現代の獅子に関する特別な規則の有る中将棋よりも、ゲーム性で
僅かに劣る程度の、南北朝期の駒数多数将棋だったとの、感触
を得た。
 個人的に現代の中将棋を、だいぶん指していなかったため、棋
力が落ちて、性能判断力が鈍っている疑いがあった。そこで今回、
今の中将棋を1局、試しに指して、それと前の結果とを比較する
事にした。以下に結論から述べ、説明は後と言う順序にする。
 結論は、以下のようになった。
 狛犬は獅子に比べて攻撃力は小さいが、逃げ足が3升目動きな
ので、2升目動きの獅子に比べて速い。そのため相手の走り駒で、
狛犬取りになる確率が、獅子の場合に比べて少ない。その結果、
先狛犬の規則を作ったとしても、先獅子の規則に比べて、そのよ
うなルールを適用する局面が稀になる。

実は、獅子に関する特別な規則のうちの、直接対決する獅子同士
に関する特別な規則に入らない、先獅子の規則で、妙手が生じる
事が結構有った。

しかし”先狛犬の規則”といった物は、存在してもほとんど使わ
れない。ので狛犬の中将棋には、そのために現われる妙手が、
余り無かった。その僅かな差で、狛犬中将棋は”獅子に関する特
別な規則の有る獅子中将棋”に、長期間の間に淘汰されたと見ら
れる。
 では以上を踏まえて、通常の中将棋と、棋譜例を示そう。

今回は、いまの中将棋の紹介、顔見せ程度を、このページの作成
目標としておく。

 そもそも中将棋の棋譜の説明をweb上で見るのは、コンピュー
タ社会が、若い世代層偏っているためか、今ではかなり稀だ。だ
から、中将棋の当たり前の将棋例を、webで説明するというの
も、いまさらながらとはいえ、罰は当たるまい。”そこでまずは”
としよう。
 以下の棋譜は、初期配列の下半分である。

中将棋オモテ.gif

 但し、現在の中将棋の成りは、上記の駒をひっくり返して示す
と次のようになっている。

中将棋成り.gif

 中将棋は取り捨てで、持ち駒ルールは無く、成りの規則は、相
手陣が4段目なので、相手陣に駒が入ったときに成る。ただし、
相手陣に入った状態では、手を指しても成れず、相手陣内で、
相手の駒を取った時に成る。ないしはもう一度、相手陣から出て
再突入するかである。ただし、歩兵と最近では香車については、
最奥の、身動きできない所に達すると、強制成りとなっている。
獅子に関する特別な規則は、本ブログで前に説明したものとした。
 この将棋を、私の棋力が以前より衰えた今回、再度チェックす
ると、終盤局面で、以下のような状態に達した。

01_03.gif

先手が優勢になったが、後手に、先獅子の規則が無ければ、良い
手が有ったのに、その手が使えないため、後手が形成を損じた為
だった。今述べた事の具体的な説明は、別の一局を使って、後で
するつもりである。何れにしても中将棋では、走り駒で相手獅子
取りを、狛犬中将棋に比べて掛ける局面が出易く、獅子の追いか
け合いが多いのが、今回指してみても印象的だった。
 なお、上図の局面は、先手が▲6十飛車(10十)とした所で
あり、後手は形勢不利で、獅子を△同6十獅子で、切るしかなかっ
たとみられる。なお、先手は麒麟を切っているが、後手の麒麟は
健在である。

狛犬中将棋に比べて、獅子中将棋の方が、やはり相手から、麒麟
は取られにくいようだ。

 話を元に戻すと、この局面から、着手は次のように進んだ。
△同6十獅子▲同6十金将△6三金将(成り角行を取る。)
▲6五獅子寄る。言うまでも無く、次の△~▲8三獅子を見て、
後手玉に詰めろが掛かっており、以下先手が、後手の玉を寄せる
段階となっている。
 実際、しばらく進んで、以下のように後手玉は詰み、結局この
局は先手の勝ちとなった。

01_03_指了.gif

 確かに、この1局を見る限り、先獅子の規則が利いているとい
う意味では、狛犬中将棋には、余り無い面白さが有り、僅かでは
あるが、普通の中将棋の方が、今小路西鎌倉市福祉センター遺跡
出土木札の狛犬型中将棋より、ゲーム性能が上との心象は受けた。
 なお、成りの種類を増やして、複雑化した効果は、それに比し
て、やや少ないようだ。

 狛犬中将棋を、現在の成りの規則で指しても、古のゲームの特
徴を理解する、防げには特に、なら無い

ような気が私にはする。普通の中将棋の元駒一枚の獅子だけを、
狛犬に変え、獅子に関する特別な規則を、全く無しにして、同じ
ように楽しむのが、狛犬型中将棋を、現在流に楽しむには、それ
が一番良いような気が、やはり私には依然する。(2019/01/03)

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