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囲碁は雲南でかつて流行、日本への伝来経路だった(長さん)

本ブログでは、西暦775年頃から西暦1250
年頃まで、中国雲南省に、かつて存在した南詔国
及び大理国で、”囲碁は流行らなかった”として
来た。しかしながら以下の成書に、日本への囲碁
の伝来経路上に、中国雲南省が有るとの説が載っ
ているのを、最近本ブログの管理人は、発見した。

日本評論社(西暦2012年)
”浮世絵に映える囲碁文化”藁科満治著

 上記著書によると、囲碁の文化誌の水口藤雄氏、
研究者の安永一氏、それに藁科満治氏自身が支持
するもので、囲碁の伝来経路を、”「古代インド・
チベット地域」を出発点として、→(ペグー等の)
東南アジア→中国雲南→四川→揚子江下流域→
沖縄→日本とする”と、いう主旨のようである。
つまり他の研究者の説に、賛成するという形で、

中国雲南が路上であると藁科満治氏は書いている。

”古代インド・チベット地域”が、もう少し絞り
たい所で、東南アジアも特定困難だが、とにかく
茶馬の道等を使って来たと、水口藤雄氏らは言い
たいのだろう。
 揚子江からは黒潮だが、いわゆる海のシルクロー
ドではなくて、揚子江河口の寧波からの、
一般的な日本への、中国からの交易ルートを、伝
来経路と言っているらしいと、私には解釈できる。
なお沖縄ではなくて、航路は奄美大島を通るとの
情報がある。
 残念ながら、中国→朝鮮半島→日本の経路では
なくて、茶馬の道→中国内陸→揚子江河口→日本
としている根拠は、冒頭の成書だけでは、私には
よく判らない。
 冒頭で、”古ルールの差は、伝来経路の推定の
手がかりになる”との旨、藁科氏は述べている。
が”日本は自由布石法、中国は4子置石、朝鮮
半島は16子置石、チベットは12子置石”との
旨記載してあって、各国とも互いに

バラバラだ。

更に、被引用の水口藤雄氏が”囲碁の文化史”で
述べている点だが、揚子江の河口からさほど遠く
ない、”浙江省に、(たとえば安徽省に比べて)
「囲碁の強豪が輩出」している事”が中国雲南省
を経由して囲碁が伝来する根拠に、

どうしてなるのか、
中国の地図を見ながら説明を読んでも、私
には理解できない。

 なお、元々漢王朝には、囲碁を指す習慣があり、
五胡十六国時代の16国と、中国の南北朝時代の
北朝は異民族なため、漢王朝流の囲碁文化は無く、
その時代は、南朝でのみ、漢王朝流の囲碁が指さ
れたと考えれば、少なくとも”六朝期の囲碁強豪
の分布”は説明できるのではないかと、私は疑う。
 まあそうであっても、現在の日本の囲碁史界で
は、中国起源ではなくて”古代インド・チベット
地域”が囲碁の起源の主流。日本への伝来経路が、
ラサ→雲南→四川→上海→沖縄→日本は、実態は
私には、つかめて居無いが、定説なのかもしれな
い。それにそもそも、隋や初期唐までの雲南では、
”テン文化”の漢代を除けば、六朝期は特に、
南朝各王朝と北周まで中国の王朝の支配下であり、
その後隋王朝期にも、六詔と中国王朝が拮抗して
いたようであるから、中国の古代式恒星天文学が、
周極星の見えが違って合わなくても、雲南の住民
にも強要されたのだろう。
 だから雲南の住民も、打つ理由として疑問を持
ちながらも、打つと、華南の漢王朝後継各国政府、
北魏以来漢化した隋の前身、華北の北周王朝の
待遇もよく、そのため、恒星と月との相対位置を、
把握する技量等に関連して、囲碁をしばらく打っ
たと考えれば良いのだろう。つまり、漢の時代頃
から六朝期までは概ね、南詔国の強大化期とは

時代が別な為、本ブログとの矛盾は起こらない

とみられる。
 そこで今後は、単純に”囲碁は雲南では、流行
らなかった”という表現はやめて、つぎのような
旨の主張に変えたい。すなわち、”
中国雲南は、漢王朝期頃またはそれ以前の古代に、
囲碁の伝来経路になったとの説も、少なくとも
日本には有る。
 が、唐代に南詔国が強大化すると、漢代成立の
中国古代星座の、観測技量に結びついていた囲碁
のブームは、緯度の違いで中原と、周極星の範囲
が異なるため、存在価値が疑問視されて、雲南
では伸び悩みになった。その結果雲南では、囲碁
の、ゲームとしての優秀さは、やがて

忘れ去られて、ゲームの出来に関する目は失われ

た。その為インド発の将棋に、晩唐の時代までに
は置き換わったとみられる。”とのような表現に、
本ブログでは、変える事にしたいと、私は考えて
いる。
 ちなみに、中国の古代星座の成立時期について
は”黄河四大文明の時代だ”との、中国流の
”神話”が仮に有ったとしても、歳差が有るので
恒星個々の位置の数値情報から逆算できる点が、
囲碁や将棋の成立”伝説”とは、基本的に異なっ
ている点だと考えられる。(2019/10/01)

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