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島根県江津市古八幡遺跡で弥生期泰山墨書土器(長さん)

今回は、山岳信仰と有力者への貢物の献上が
結びついた奉山墨書遺物が、弥生期の島根県
西部江津市にも有るとの旨の紹介である。漢
字は、大局将棋の駒名の泰山ではなく、奉山
のようである。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は、以下の通りである。
2242_6_神主城跡・室崎商店裏遺跡・古八幡付近遺跡・横路古墓.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
神主城跡・室崎商店裏遺跡・古八幡付近遺跡・
横路古墓、2000年3月、建設省
浜田工事事務所・島根県教育委員会。
 話題とする遺物は、発掘報告書に6箇所遺
跡が載っているのうちで、古八幡付近遺跡の
第6~7区で、出土したとの事である。
 発掘報告書第1pdf冒頭の例言によると、
遺跡の場所は古八幡付近遺跡の第6~7区が
島根県江津市敬川町373-1。遺物が出土
したのは、西暦1997年前後の事のようで
ある。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第1pdf
の第107ページ表で第6~7区の出土遺物
は弥生土器とされており、弥生時代のものと
考えられているようである。はっきり西暦年
代を示した部分は、見つからない。
 遺物の写真は前記の、発掘報告書第6写真
pdfの写真図版116の3段目右に在り、
遺物番号は、スケッチ図第58図の第24番
との旨、ナンバリングされている。土器の破
片のように見える。なお第58図は「古八幡
付近遺跡6・7区出土縄文土器・弥生土器実
測図」という名称であり、上段2個を除いて
弥生時代の土器のようである。

古八幡5824泰山.gif

 上図のように、中央で、やや半時計回りに
回転して傾いて、漢字で「奉(山の絵)山」
のように見える、黒い煤模様が有る。
 弥生時代後期の3世紀頃までには、島根県
西部で、地元の有力豪族は、神様の直径子孫
であってかつ、その山の神様を奉る神主を、
兼ねていたようなイメージがあり、住人が、
何かその土器に入れて、献上していたように
見える容器遺物である。
 以前何回か、奉山墨書土器を紹介している
が、弥生時代に成立した例が、広く日本の本
州・四国・九州に分布し、奉の漢字は弥生時
代後期の、漢字全体から見て早期に、大陸か
ら輸入されていた事を示す遺物の、これも一
つではないかと私は考える。(2022/05/08)

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