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島根県大田市静間城跡で戦国期角行墨書土師皿(長さん)

今回は、出雲の尼子氏将棋盤を連想させる
島根県の戦国時代の城の倉庫跡とみられる
場所から、土師皿の破片とされるものに、
将棋駒名の角行のような模様の在る遺物が
存在するという旨の紹介である。

部品の使い方を指示する書き込みのような
もの

なのではないかと、疑われる。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は、以下の通りである。
22471_1_静間城跡.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
静間城跡、2018年6月、国土交通省松江国道事務所・
島根県教育委員会。
 発掘報告書末尾の抄録によると、遺跡の
場所は島根県大田市静間町、遺物が出土し
たのは、西暦2016年前後の事のようで
ある。
 遺物の成立年代は、第3掘立柱住居跡で
遺物が出土したが、出土遺物群の内容から、
15世紀中~16世紀初で、16C頃戦火
に見舞われ、比較的16世紀に近い時期で
はないかと取れる旨が、発掘報告書の第
17ページないし、それより数ページのあ
たりから、読み取れると認識する。
 遺物の写真は、写真図版第21の上カラ
ム、”SB02・SB03・主郭1出土遺
物((スケッチ図)第14・16・29図”
の、第2段目左に在り、遺物番号スケッチ
図第16図の、第8番との旨ナンバリング
されている。「土師皿の破片」との事。

静間城跡角行.gif

 上図のように、縦に穴の断面のような
切れ込みが遺物に有り、その右の面に角行
と漢字で薄く書いてあるように見える。

皿に見えないので、一見意味不明である。

恐らくだが、臼で挽く際に使う、作業用の
器の破片なのではないかと私見する。同様
の用途の物品がこの発掘報告書に、もう一
つ載っているようである。漢字で角行と書
かれていたとしても、

割れてから、書いたとしか考えられない。

ひょっとすると、この物体の

置く場所がカドである事を指している

のではないだろうか。隙間埋めに使用する
作業用の物品が、倉庫に保管されていたよ
うにも、私には思える。

日本将棋が成立しており、将棋の角行は
知られていたので、この文字が書かれた

のであろうが。四隅にガタツキを防ぐ為に
置く物体なのかもしれない。近世近くなる
と、隙間埋めの為の、将棋の駒の形に似た
「コマ」という単語と類似して、宗教用語・
道徳用語とは別に単純に、

横に置くから横行とか、四隅に置くから
角行とかいった、建築資材を表す単語・
業界語も、少しずつ現れる

ようになったという事なのであろう。
(2022/05/10)

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