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静岡県浜松市角江遺跡で弥生後期馬奔山墨書土器(長さん)

今回は、古墳時代に近くなると、静岡県
浜松市付近でも、山岳信仰が発生し有力者
への馬の献上が行われたのではないかと疑
われる、「馬奉山」と読める瓶型出土土器
の紹介である。
 遺物の写真がweb上で公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
1133_1_角江遺跡Ⅱ遺物編1土器・土製品.pdf
発掘報告書名は、以下の通りである。
静岡県埋蔵文化財調査研究所調査報告第69集
角江遺跡Ⅱ遺物編1(土器・土製品)、1996、
財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所。
 発掘報告書末尾の抄録によると遺跡の場
所は、静岡県浜松市入野町15174。
遺物が出土したのは、西暦1991年~
1994年の間のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書に個別の
遺物の成立年代が推定されているが、たま
たま、今回紹介する遺物については言及が
無く、発掘報告書の第60ページの図を見
る限り、弥生時代後期と見られているよう
に、私には受け取れる。
 遺物の写真は発掘報告書写真図版第37
の2段目左に在り、遺物番号第41-6番
とのナンバリングがある。丸い瓶のような
形の土器のように見える。

角江遺跡馬奔.gif

 上図のようにいっけんして、土器の写真
の中央に、漢字の奉のように見える煤模様
が有り、それに右側にくっついて、山とい
う漢字が書かれているようにも見える。そ
して更に、左すこし上に、反時計回りに回
転して、互いにばらばらのように見えるが、
馬とも書いてあり、

馬を山の神に奉じる

との意味で「馬奉山」と書いてあるように
も見える。金鉱を探して大陸からやってき
た渡来人を先祖とする、静岡県浜松市の弥
生時代末の有力者に、牧場の馬の飼い主が
馬を献上するときに付ける、馬の水飲み瓶
という意味のようにも見える。
 以前に九州では、弥生時代のもっと早く
に、このパターンの墨書土器に見える遺物
が存在する事を、本ブログで紹介した覚え
がある。静岡県浜松市付近でも、九州中部
には少し遅れるが、同様な事が起こってい
たように解釈できる遺物という事になるの
だろう。(2022/05/20)

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